なるべく心穏やかに過ごせるように気をつけていても、予期せぬトラブルや苦手な相手によって、急激にストレス値が上がってしまう瞬間があります。そんなときの自分の言動は、たいてい後悔してしまうようなものばかり。「怒りは人生を壊す唯一の感情」と語る日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんの言葉にハッとしました。
アンガーマネージメントで「怒り」への耐性を身につける
「アンガーマネジメント」と聞くと、怒らない、イライラしないようにする方法かと思いがち。安藤さんによると、
問題は、怒ってしまうことではなく、怒りをコントロールできないこと。1970年代にアメリカで始まったアンガーマネジメントは、怒りの感情と上手につきあうための方法論で、心理教育や心理トレーニングとして体系化されたものです。今では大企業のエグゼクティブや、アスリートのメンタルトレーニングにも使われています。
(「cafeglobe」より引用)
生物が身を守るために本能に組み込まれた感情なので、「怒り」の感情を排除することはできません。そして、物事の受け止め方やストレスの度合いは人によって違うということを考えると、怒りたくなる対象があるから怒るのではなくて、自分に「怒り」の感情が湧いてしまうから怒る、という順番だったようです。
「怒り」をコントロールする3つのポイント
それならば、「怒り」への耐性を高めることができれば、簡単に頭に血が上るようなことはなくなりそう。アンガーマネジメントは、衝動、思考、行動の3つの柱から組み立てられているのだとか。
1.衝動のコントロール
衝動的な怒りの感情はずっと続くものではなく、ピークは6秒程度と言われています。カッとなって言わなくてもいいことを言ったり、手が出そうになったりするのを防ぐには、怒りを感じたその場で行う「その場セラピー」が有効です。「その場セラピー」で魔の6秒をやり過ごせば、あとで後悔することがグッと減るはず。
<「その場セラピー」のやり方>・6秒だけ、思考停止。頭の中を真っ白にするイメージで。・6秒だけ、口角アップ。フリでも笑顔を作ると寛容な気分に。・6秒で魔法の言葉。気持ちを落ち着かせるフレーズを用意しておき、怒りを感じたときに6秒唱える。「大丈夫」「ネタにしよう」など。
2.思考のコントロール
人は「~すべき」という自分の信条が裏切られたときに怒りを感じます。「待ち合わせより早めに来るべき」「嘘はつかず正直であるべき」など。その境界線は、「許せない・許容範囲・許せる」という三重丸の構造で視覚化することができます。無駄に怒らない人は「許容範囲」のゾーンが広い人。ここを広げることで、ささいなことでイラッとしなくなります。また、お互いの三重丸を共有することも有効。会社なら仕事の進め方、家庭なら帰宅時間の伝え方など、三重丸を使って言語化していきます。「こうしてくれるとベスト」「最低限〇〇はしてほしい」というリクエストとして伝えると、気持ちがスムーズに伝わります。
3.行動のコントロール
アンガーマネジメントでは、怒ることは「リクエスト」だと捉えています。怒り上手は、リクエスト上手。そして上手に怒るには、ポイントが2つあります。ひとつは、前述の三重丸のようにわかりやすく具体的にリクエストすること。例えば部下が締切を守れず揉めたなら、「なぜ締切を守れないのか」と怒るのではなく、「どうしたら締切を守れるか、一緒に考えてみよう」とリクエストしてみましょう。もうひとつは気分で怒らず、怒り方にブレがないこと。気分で三重丸の境界線を変えると、「いまは機嫌が悪いから怒っているだけだ」とスルーされるようになります。
(「cafeglobe」より引用)
物事の捉え方を少し変えるだけで、「怒り」が「リクエスト」に変わるというのがおもしろい。自分が変わることで、見える世界も変わってくるのかも。
また、「『怒り』自体は、けっして悪者ではない」という安藤さんの言葉も印象的でした。多くの起業家、研究者のように、大きなパワーになることもあります。だからこそうまくコントロールして、人生をポジティブに動かしていく力にしたいと思います。
image via shutterstock
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