オーバーサイズのジャケットや、襟もとにファーのついたおしゃれが目立つ今シーズン。秋冬だからといって「首もと」や「デコルテ」が隠れるわけではないので、ケアはぬかりなく行いたいもの。ボディケアも詳しく、自身も見惚れるような美肌のイケメンセラピスト・土岐 忠さんに、首やデコルテのお手入れについておうかがいしました。"顔のレフ板"と呼ばれることもある首もと・デコルテをきちんとケアすれば、イベントの多い年末も安心して迎えられそう。

Q.首もと、デコルテのケアの重要性について教えて

「サロンのお客様からの相談が多いパーツのひとつが、首もとやデコルテです」と断言する土岐さん。

「皆さんお肌のお手入れはしっかりされているので、年齢不詳の"美魔女"みたいな方も多いですよね。でも、そういう方でも首もとのシワやデコルテの痩せなどはスキンケアやメイクで隠しにくいもの。僕の印象としては30代半ばから悩み始める方が急増する気がします。そのため、悩みがで始める前に日常的にケアしたほうがいいと思います」

Q.首もと、デコルテのダメージの原因は?

「首やデコルテは、もともと肌が薄くてデリケートな部分。しかも服から露出しているので乾燥や紫外線の影響を受けやすいですよね。それから、5キロ前後と重たい頭が前に落ちていることで筋肉に負担がかかり、血行不良でくすんでいて、首が太く見えている方も多いんですよ」

と土岐さん。顔と同じくらいに保湿や紫外線ケアをする必要がありそう。

また、意外な盲点として教えてくれたのが「髪の毛による刺激」。ブライダルの予定があり「髪をアップにするから、デコルテや背中もキレイにしたい」と訪れる人を見ると、ちょうど髪の先端が触れる部分にニキビや色素沈着が出ている方が多いのだとか。

「特に注意していただきたいのが、濡れて硬くなった髪先。これがお風呂上がりのまっさら肌に触れるとトラブルの原因になりやすいんです」

濡れた髪先が触れる前に保湿し、潤いのヴェールを作ったほうがよさそう

Q.デコルテケアは20代では必要ない?


20代なら、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリ成分がさかんに作られているため、シワを気にする必要はない、と土岐さん。ではデコルテケアが必要ないのかといえば、そうではないよう。

20代ならデコルテが痩せてしまう、削げて貧相に見えるといった悩みとは無縁のはず。けれど、保湿や角質ケアの必要性を感じていないので放ったらかしで、実はざらついた質感の方が多いんです」

30代以降のようにシワを気にする必要はないけれど、触れてみるとキメがあらかったりカサカサしていることが少なくないのだとか。キレイにしてデートに出かけて、接近戦でがっかり......なんてことのないように、20代からお手入れは抜かりなくしたようがよさそう

Q.首もとやデコルテのスキンケア、何を使えばいいの?

お顔もピカピカだけれど、レフ版のようになめらかで美しいデコルテを誇っている土岐さん。私たち女性もそんなデコルテになるにはどうしたらいいの?

「保湿はボディクリームなどでもいいのですが、ピカピカを目指すならぜひ顔と同じものを。化粧水、美容液、クリームを顔につけるときに同時にケアすれば簡単ですよ」

そして、土岐さんが保湿と同じくらいに重視しているのが角質ケア

「角質のターンオーバーが滞るとくすんだり硬くなってシワが刻まれやすくなります。またニキビもできやすくなるので、首やデコルテこそぜひ角質ケアを。スクラブはお肌の状態によっては削りすぎになる可能性があるので、弱めの酸を使うピーリングがおすすめ。化粧水をつける前のまっさらな首やデコルテに角質ケア用のコスメをつければ柔らかくなり、後に続くコスメの浸透もよくなります

たとえばイースペシャルの「ドクター ピール ボディ」200g 5700円などは毎日使うことができ、洗い流す必要もないので全身に使っているそう。無駄なものを溜めないケアで、美しいデコルテを目指そう!

また、顔から首もとやデコルテまでを覆えるシートマスクもおすすめなのだそう。例えば、リファのシートマスクジュリークのシートマスクは首もとまで広げられるので、顔のついでに保湿しよう。

Q.首とデコルテも通年で日焼け止めを塗るべき?

顔はしっかりガードしていたのに、つい首は塗り忘れ......。はっと気づくと首と顔の肌色に差が出ていることも。

「首もデコルテも、1年を通じて必ず日焼け止めを塗ってください。顔に塗ったものをつけても構いませんが、クオリティが高いのでボディ用のものでも十分です。正面だけでなく、案外焼けがちな首の後ろ側も忘れずに」

と土岐さん。日常使いならさっと使えるスプレーでもOKだそう。また、汗でどうしても崩れがちなので、夏なら日中に一度は塗り直ししたほうがベターだとか。美白にも、そしてシワやたるみ予防にもなるのできちんと塗らなくちゃ!

Q.プロが行う、美デコルテのための習慣は?

男性ではあるけれど、すんなりと長くて美しい首とキレイなデコルテをお持ちの土岐さん。スキンケア以外で、特に気をつけていることってあるの?

「まずひとつは、目を疲れさせないこと。眼精疲労が起きると見づらくなるため頭が前に落ち、首や肩への負担がさらに増してしまいます。ですから、疲れたなと思ったらこまめに目薬はさしますね。それからパソコンやスマホを見るときは、なるべくブルーライトカットレンズを使うように。高価なものでなくても、使うと目の疲労度がかなり違いますよ」

そしてもう1つ、リーズナブルで確かなおすすめは「深い呼吸」なのだとか。

「首やデコルテのラインが崩れる最大の原因は、頭が前に落ちることにあります。そうするとバランスをとろうとして腰が反るのですが、深い呼吸はインナーマッスルを使うので、これを正す効果があるんですよ。ラジオ体操や整体と違って仕事中でもこっそりできますし(笑)、5〜6回の深い呼吸はぜひ習慣づけてみてください

Q.太い、短い首を、シュッと長くする方法はある?

首の太さや長さは肌表面をケアしても追いつかないもの。それより、首やデコルテの収縮した筋肉をほぐし、正常な状態に整えるのが土岐さんのおすすめ。

「このとき大切なのは、首だけのケアでは追いつかないということ。姿勢そのものに問題がある場合がほとんどなので、全身を調整する必要があります」

自分で全身ケアというと難しそうだけれど、実はラジオ体操がうってつけなのだとか。

「特別なストレッチをしたり整体に通ったりするのもいいのですが、日本人のDNAに組み込まれている(笑)から簡単で効果てきめんなのがラジオ体操。お客様の生活習慣をうかがっていると、定期的に運動している方はやはり首が埋もれたり太くなったりしないんですよ。逆に、運動不足とおっしゃる方は7割くらいが太めの首という印象。ジムに入らなくても、ラジオ体操で十分ですからぜひトライしてみて」

Q.首もとのケアは、上下どちらに向かってするべき?

「首のシワやたるみを目立たなくしたいから、ネックケアは"下から上"」と言われると納得。けれど「リンパの流れは耳下から鎖骨へと続いているもの。老廃物排出が目的なら、首は"上から下"へケアするべき」と言われると、そんな気もするし......。これ、どちらが正解なの? 

土岐さんによれば

「そこまで厳密にならなくても、きちんとケアのときにクリームをつければ大丈夫。摩擦が生じると肌を傷つけたりコラーゲン繊維が切れる可能性がありますが、クッションとなるクリームを塗れば、どちらの方向でも問題ありません」

とのこと。まず上から下に流してむくみをとり、ケアの最後は上に向かって軽く押さえる"いいとこどり"を。

美しい首もと、デコルテをかなえる4つのエクササイズ

1.もたつくフェイスラインをすっきりさせたい

フェイスラインがもたつく。二重あごっぽく見える......そんなお悩みの人に土岐さんが教えてくれたのが、あごの下を優しくプッシュするという方法

親指の腹であご下から耳下に向かって5カ所ほどプッシュして。これを3セットほど繰り返すと滞っていたリンパの流れを刺激できますし、顔全体のむくみや筋肉のコリをほぐす効果も。お風呂上がりに、クリームをつけて行うようにしてください」

2.滞ったリンパを流して、しなやかで細い首に...


さらに、

「どっしりした首の原因は姿勢であることが多いので、まずはエクササイズ習慣をつけて全身バランスを整えるのがおすすめ」




そう前置きした上で、土岐さんが教えてくれたのがリンパの通り道に沿ったマッサージ。人差し指、中指、薬指の腹をそろえ、耳下から鎖骨に向かう斜めの筋肉(横を向くと首に出る、胸鎖乳突筋の斜めライン)に沿って4カ所ほどプッシュ。これを3回セット繰り返すと、首のコリをほぐしたり老廃物を流す効果が。

3.華奢で女性らしい鎖骨のラインになりたい

埋もれた鎖骨を掘り起こして、華奢で女性らしい鎖骨のラインを目指すエクササイズ。ここが埋もれているとふっくらした印象になってしまうので、簡単なマッサージで掘り出しましょう。

人差し指、中指、薬指の指先を、鎖骨のくぼみに入れて2秒優しくプッシュ。少し外側でまた2秒、さらに外側で2秒プッシュします。これを3セットほど繰り返すとリンパの流れを促す効果があります」

爪が長い人は手をグーにして、第2関節でそっと押すのでもOK。ちなみに、鎖骨は正面から見たとき、水平に伸びているのが正解

逆ハの字の形に、肩に近い側ほど鎖骨が上がっている場合は、猫背になって肩が前に落ちている可能性が。姿勢を整える、定期的に簡単な運動をするなどの努力も必要です」

4.痩せて貧弱な印象のデコルテを変えたい

年齢が上がると、増える悩みのひとつ。貧弱な印象になってしまいがちな、デコルテが痩せを解消するエクササイズ

右手の人差し指、中指、薬指の3本指を左側のデコルテに密着させます。ぎゅっと押しながら骨の間に指をさしいれるイメージで3回ほどさすります。少しずつ位置を外側にずらしながら、片側3カ所×3回行って。そのあと、ほぐした部分を内から外にさするようにして5回流します

肩が落ちてつぶされ、硬くなっている大胸筋をほぐすと胸がふっくら柔らかい印象に。肩を横に開く効果もあるので、姿勢もよくなって見た目が変わるはず。

毎日少し意識するだけでも変わりそう。フェイスケアついでの保湿と、簡単エクササイズで、触りたくなるようななめらかで美しい首もと、デコルテをかなえて。

image via Shutterstock


話を伺ったのは...

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土岐 忠さん

Cradle』セラピスト。INFA認定ゴールドセラピスト、NARDアロマアドバイザー。自身の体調不良をきっかけに整体を学んだのち、美容に興味が広がりセラピストに。フェイシャルやボディの施術も人気ながら、ブライダルエステとして利用する顧客も多く、ドレスを着たときにも映えるネックラインやデコルテの作り方に一家言あり。男性ながら触りたくなるようなつるつるの白肌で、シワひとつない首も見事!