2

秋が深まると、気になるのは肌のかさつき。シワにもつながるため、気になるところです。美しい肌のためのケアといえば、コラーゲンをイメージする人も多いのではないでしょうか。配合されたクリームを塗ったり、パックをしたり。こうした外側からのケアも大切ですが、一方で限界があるとも……。

というのも、コスメ成分を肌に浸透させたいとお手入れにいそしんでも、肌の性質上、角質層よりも奥深くまでは浸透しにくいから。湯船に入ったときに身体が水を吸って体重が増えたりしないのも、肌に物質が浸透しにくいことを示すいい例ではないでしょうか。とくにコラーゲンは分子が大きいため、しみこませるのは難しいのでは、と感じます。だったら食べ物で体内から皮膚に供給してもらったほうがよほど無駄がなく確実です。

コラーゲンは、3つの栄養で作られる

肌の表面でターンオーバーを繰り返す表皮と皮下組織の間にある真皮層。この主成分がコラーゲン。真皮の約90%を占め、肌の弾力やハリ、明るさを作りだしています。その材料が、タンパク質とビタミンC、そして鉄。この3つがそろって弾力のあるハリ肌が生まれるのです。

そこで、これらの栄養素をしっかりたっぷりとることが、ハリ肌への近道といえます。タンパク質や鉄が多いのは赤身の肉、さんまやかつおといった青背の魚、卵といったもの。以前紹介した温泉卵タンパク盛りをぜひ活用していただければと思います。

さらにビタミンCもたっぷりと。おかずを食べるときはフレッシュ野菜をご一緒に。これからの時期は大根などの根菜類はもちろん、ほうれん草や小松菜といった葉物もたっぷり取り入れましょう。なお、大根を買うときはぜひ葉のついたものを。根の部分よりビタミンCもAも豊富です。なお、ステーキにレモンをしぼったり、といったことは鉄の吸収にもひと役かってくれます。

コラーゲンは、ドリンクよりも食材から摂る

ちなみに、コラーゲンドリンクやフカヒレを食べると効率的、というのは少々早計かもしれません。確かにこれらにはコラーゲンがたっぷり含まれていますが、体内に入ってコラーゲンのまま吸収することは、分子が大きすぎるため考えにくいところです。そのため、一度バラバラに壊してアミノ酸レベルで腸から吸収されます。こうした吸収されたアミノ酸が、必ずしも体内にある鉄やビタミンCとともにコラーゲンになるとは限らず、肌に必ず届くとは言えないのが本当のところ。

もし風邪気味だったら白血球となって免疫力を上げるために使われるかもしれませんし、ストレスが多ければ抗ストレスホルモンの材料として使われる、ということも十分ありえるわけです。

食欲の秋をたっぷり楽しみながら、効率的にハリ肌を叶える内側からのケア。今からはじめて、寒さに負けないタフなツヤ肌をめざしましょう!

ポジティブ栄養学をもっと読む>>

image via Shutterstock

Ranking

RELATED ARTICLES