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先日、東京・上野で2日間にわたり、『第7回ニッポン豆腐屋サミット&TOKYO』と『第3回全国豆腐品評会』が行われました。

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『ニッポン豆腐屋サミット』は年に1度行われる、豆腐業界最大のイベント。また、『全国豆腐品評会』は『ニッポン豆腐屋サミット』の企画のひとつとして始まったものです。今回その品評会の審査後に行われた、豆腐の試食会に参加してきました。

試食会で味、質感、パッケージ…バリエーションの豊富な豆腐に驚き

20171011_tofu_1.jpg試食会では、全国の各地区予選を勝ち抜いた豆腐125点を入場料1,000円で、誰でも食べることができます。「木綿豆腐の部」、「絹ごし豆腐の部」、「寄せ/おぼろ豆腐の部」、そして絹ごし豆腐のような滑らかさがありながら日持ちの良い「充填豆腐の部」の4部門に分かれており、品評会では、地区予選を通じ出品された685点から今年度のTOFU OF THE YEAR(トーフ・オブ・ザ・イヤー)「農林水産大臣賞」が決められます。

そこで、審査員になったつもりであれこれ食べてみましたが、驚いたのはバリエーションの豊富さ。味はすっきりしたものもあれば、豆の濃い味を全面に打ち出したもの、甘味を感じるものなどいろいろあり、質感もなめらかなものから、今まで出会ったことがないほど固いものまで、同じ部門でもそれぞれ独自性を持っているように感じました。また、パッケージや品名もシンプルなものから、作り手の想いがぎっしり込められたものまでさまざま。どれもすべてにおいて熟考の末に生まれた製品、ということを目と舌で知る試食会になりました。

今年度の『TOFU OF THE YEAR』に輝いた豆腐は?

ちなみに今年出品された豆腐について、実行委員の方に話を聞いたところ、審査では「全体的に、大豆、さらには畑にまでこだわり、大豆のそのものの味をしっかり出しているものが高評価を得ていた」のだとか。また、「にがりで丁寧に寄せたものをつくる傾向が高まり、余計な水分が出ている豆腐はほとんどない」とのことでした。

そして今回「農林水産大臣賞」に輝いたのは、東京・青梅にあるとうふ工房ゆうの「特選よせとうふ」。とうふ工房ゆうは、寄せ/おぼろ豆腐部門と絹ごし豆腐部門の両方で金賞を受賞し、特に寄せ/おぼろ豆腐部門では非常に高い評価を得ました。

そのほか、<木綿豆腐部門金賞/農林水産省産業局長賞>は、豆太の「豆太特上木綿とうふ」(北海道)、<充填豆腐部門金賞/農林水産省産業局長賞>は、村のおっさん(桑原豆腐店)の「充填こいまろ」(徳島県)、<東京都知事賞>には、三善豆腐工房の「みつよしのざる豆腐」(東京都)が輝きました。

豆腐マイスターに聞く、簡単でおいしい豆腐の食べ方

20171011_tofu_4.jpg豆腐はタンパク質や脂質など、さまざまな栄養素を含んでおり、健康や美容への効果も期待できるため、普段の食事にも積極的に取り入れたいところ。しかし、いざ食べるとなると、夏は冷奴、冬は湯豆腐、他には麻婆豆腐やみそ汁の具ぐらいしか浮かんできません。そこで、豆腐や豆腐料理の普及のために活動しており、試食会ではスタッフとして会場運営をしていた豆腐マイスターの方々に、簡単でおいしく食べられる豆腐のレシピを聞いてみました。

そのひとつが、豆腐のみそ漬け。保存容器に味噌を敷き、その上にガーゼを置いて、水を切った一口大の豆腐を並べます。そして豆腐をガーゼでくるみ、さらにその上に味噌をのせて、しばらくそのままにしておきます。1カ月ぐらいすると、豆腐がチーズのような味わいになり、お酒のつまみとしても喜ばれるそう。なお、漬ける期間は必ずしも1カ月でなくとも大丈夫。ときどき様子を見ながら、好みの味になれば完成です。

20171011_tofu_5.jpgまた、野菜あんかけ豆腐もこれからの季節にはピッタリ。水を切った豆腐をフライパンで両面焼き、そこに野菜あんかけをかけるというものです。今の時期ならキノコがたくさん出ているので、いろいろなキノコを組み合わせてみるのもおいしそう。また、あんかけの味も和風だけでなく、中華や洋風のだしの素を使うと、意外性が感じられるかもしれません。

もっと簡単に食べたいなら、カプレーゼのモッツァレラチーズを豆腐に代えるというアイディアも。このとき、豆腐はできれば味のしっかりしたものを選ぶのがよいそうです。

それから、その後加工して食べるなら、豆腐は冷凍保存もできると聞き驚きました。食べるときに自然解凍し、水を切ってハンバーグやピザ生地のたねに混ぜるとふんわり仕上がり、ハーブソルトをつけて、から揚げにしてもカロリーも控えめでおいしく食べられます。

自分好みの豆腐探しに「町の豆腐屋さん」へ

最近は町で豆腐屋さんを見かける機会が少なくなり、買うのはもっぱらスーパーという方が多いと思います。でも、地方予選を含め、今回、品評会に参加した店以外にも、全国にはがんばっている豆腐屋さんがたくさん。地域に根差すために、ファーマーズマーケットに出店したり、季節感が出るような変わり豆腐をつくったりと、これから先も豆腐という食材が愛され、食べてもらえるよう、皆さん努力をしています。

今回、豆腐マイスターの方々に伺った調理法以外にも、豆腐には和洋中からお菓子まで、いろいろな食べ方があります。また、そのまま食べてもおいしい豆腐もたくさん売られています。秋は「食欲の秋」と言われますが、今年は自分好みの豆腐を探しに、「町の豆腐屋さん」に出かけてみるのもいいですね。

[全豆連]

image via shutterstock

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