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スイスといえばチーズ・フォンデュ。手間もかからないし、週に一度は食卓にのぼってもよいようなものですが、カロリーがそれなりにあるので、スイスでもたまに楽しむ特別な料理です。

チーズの風味たっぷり「チーズ・タルト」

日ごろ気軽に食されているものといえば、チーズ・タルト。街のそこかしこのベーカリーやケーキ・ショップの店先に、必ず並べられています。はじめて見かけた時、チーズ・ケーキだ! と喜び勇んで食べてみたら甘くなくて、びっくり。塩味の食事タルトだったのです。でもそのチーズの風味たっぷりなおいしさに、すぐ夢中になりました。

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ランチ時に並ぶ、店先のチーズ・タルト

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朝市のチーズ屋さんが、自慢の「山のチーズ」で作ったタルト

スイスにはたくさんのご当地チーズがあるので、タルトにも個性豊かなバリエーションが生まれます。その中から今回は、王道のグリュイエールとエメンタールのレシピをご紹介します。

スイスの王道チーズ・タルトレシピ

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スーパーでも手に入るグリュイエールとエメンタール、そしておいしいスイスの生クリーム

<材料>(直径27cmくらいのパイ皿の分量)

グリュイエール・チーズ 200g

エメンタール・チーズ 150g

生クリーム 250㏄

卵 3個

塩 ふたつまみくらい

ナツメグ 少々 (なくても大丈夫)

市販の練り込みパイ生地 (パート・ブリゼ。砂糖がはいっていないもの。)300gくらい

<作り方>

1.生地がつかないように、持っているパイ皿によって、ベーキング・ペーパーをひくか、バターを塗って粉をはたく。

2.パイ皿に生地をきちんと敷き込む。焼いている間にふちの生地が縮んで低くなってしまわないように、高さに余裕をもって敷き込み、余分な生地は切り落とす。フォークで底にたくさんの穴をあける。

3.チーズはそれぞれの半量をすりおろし、残りの半量を小さなキューブに切る。

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すりおろすとふわっとするので量が多く見えるが、これで半量分

4.すりおろしたチーズ、溶いた卵、生クリーム、塩、ナツメグを混ぜる。(塩味をみて調整を。辛めの方が出来上がりが美味いです。)

5.生地底にキューブに切ったチーズを散らしてから、4を流し込む。

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生地底のチーズ

6.180度に温めておいたオーブンで、35分くらい焼く。竹串をさしてみて、チーズのフィリングがついてこなければ出来上がり。

すりおろしとキューブの2種使いがポイント。風味豊かで、しかも歯ごたえの変化が楽しめます。同じグリュイエールやエメンタールでも、もし手に入れば、熟成期間がより長いものを。おいしさも比例して、だんぜん味わい深いタルトが出来上がります。また、パート・ブリゼはフードプロセッサーで簡単に作れるので、余裕があったらぜひバター100%の自家製で、試してみてください。

少しナッツの味わいを感じるチコリやマッシュルームのサラダ、そして、爽やかな甘さが絶妙な相性のぶどうがお供にぴったりです。冷凍もできるので、1ピースずつに切り分けて保存しておけば、時間がない時でもおしゃれで白ワインにぴったりなワン・ディッシュの出来上がり。持ち寄りにも喜ばれます。

少しだけ秋の気配を感じ始めたこの季節にスイスのチーズ・タルト、いかがでしょう。

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