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2020年には1000万人超 ⁉ ますます発展し続ける「ヨガ」最新事情

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2020年には1000万人超 ⁉ ますます発展し続ける「ヨガ」最新事情

マドンナなどハリウッドセレブたちが火付け役となり、2002~2003年頃大ブームとなったヨガ。その勢いはとどまることを知らず、次々に新たなスタイルが生まれ進化し続けています。なぜヨガはこれほどまでに人々に愛され、支持されるのでしょうか。日本最大のヨガ情報サイト『ヨガジェネレーション』代表で、国内外のヨガ事情に精通する酒造博明さんに、ヨガの世界的な流れや日本の現状、そしてあらためてヨガの魅力についてお話を伺いました。photo:JOSS

* * *

世界でヨガ大流行、その理由は?

yoga_01.jpgーー現在、ヨガ人口はどのくらいいるのでしょうか?今年3月に発表された数字では日本のヨガ人口は約770万人(*1)ですが、毎年新たに始める人が100万人のペースで増えているので、2020年には1000万人を超えると言われています。アメリカでは2016年時点で、約3670万人(*2)という調査結果が出ていて、2012年からなんと2000万人も増加! たった3年で2倍以上も増えました。これはアメリカの国民8~9人に1人はヨガをしている計算ですから驚異的な数字です。*1 ヨガジャーナル日本版調査(2017年3月発表)*2 ヨガジャーナル&全米ヨガアライアンス調査(2016年1月発表)ーーなぜ、これほど急速に広まったのでしょう?昨年アメリカへ視察に行ったときに気づいたのは、ほかのスポーツの準備運動やアフターケアとしてヨガを取り入れている「+ヨガ」の人が飛躍的に増えていたことです。トップアスリートがパフォーマンスを向上させるためにヨガを実践し始めたことにより、その影響を受けてほかのスポーツをする一般の人もヨガを始めているようです。

多様性のアメリカ、伝統的なインド

yoga_02.jpgーー世界的に広まっているヨガですが、国や地域によって違いはあるのでしょうか。ヨガはインド発祥で元々は修行僧の身体法です。岩の上に1週間座るなど厳しい修行を実現するためのメソッドとして生まれました。現在広まっているヨガの多くは、フィットネスの要素を加味してアレンジされたものですが、インドのヨガは、今も伝統的で哲学や生き方に重きを置いています。アメリカの特徴は一言でいえば「多岐にわたる」でしょうか。アメリカは肥満大国ですから、当初はフィットネスの要素が注目されてヨガが人気となりました。ホットヨガの元祖であるビクラムヨガが大当たりして、爆発的にブームとなったのです。汗をかくフィットネス的なものから始まりましたが、今ではメンタルや呼吸、マインドフルネスなどにも派生して、フィジカルではない部分も認識され、新しいスタイルが日々生み出されています。カナダもアメリカと同じ傾向ですね。アジアの中では日本がいちばん進んでいるのですが、その流れはアメリカに追随する形となっています。

陽から陰、そして陰陽バランスのとれた時代へ

yoga_03.jpgーーヨガには様々なスタイルがありますが、これまでの流れをあらためて教えてください。2002~2003年頃からの話をすると、ほぼアメリカの流れと重なるのですが、まず運動量が多くアクティブな「陽のヨガ」が人気となりました。パワーヨガ、ホットヨガに代表されるこれらは、汗をかきフィットネス要素が大きいものです。大ブームとなったわけですが、中にはヨガにどっぷりハマりすぎ、頑張りすぎて体に大きな負担をかけてしまう人が増えたことから、2006~2007年頃から体を整えることに重きを置いた「陰のヨガ」が登場してきました。セルフケア、セラピー的なヨガやリストラティブヨガなどがこれにあたります。その後10年ほど経て今では、運動量が多くて汗をかく「陽のヨガ」と、運動量はあまりないけれど、リラックスできる「陰のヨガ」がバランスよく存在するようになってきました。

心と体を整えて「自分らしく生きる」こと

yoga_07.jpgーーそもそもヨガの魅力とは?ヨガはフィジカルとメンタル、その両方を整えることができるのが大きな特徴です。呼吸と動きを連動させることが、とても重要なポイントと言えるでしょう。ヨガでは普段、無意識に行っている呼吸に意識を向けていきます。現代の生活では交感神経が優位になりがちですが、吐く息を意識的に行うことで副交感神経がはたらきます。吸う、吐くを意識的に交互に行うヨガは交感神経と副交感神経をバランスよくはたらかせることができるので、自律神経が整って心身ともに健康になる手助けとなるのです。ーーどのような人に向いていますか?深い悩みや悲しみを持った人がヨガの呼吸法を実践することで、前向きな姿勢を取り戻したという例は数多くあります。過度なストレスを抱えた人はもちろんのこと、純粋にエクササイズをしたい人や他のスポーツをしている人が体の可動域を広げたり、メンタルを整える目的で始めるのもよいと思います。現代人は慢性的に運動不足であるだけでなく、社会と関わる中で多くのストレスを受けているので、自分と向き合うことができるヨガは、すべての人に向いていると言えるのではないでしょうか。ーー今から始めても遅くないですか?ヨガは「自分らしく生きる」ためにやるものなので、早い遅いは関係なく、始めようと思ったときが始めどきです。

日本でメジャーなのは「ホットヨガ」

yoga_04.jpgーー今ヨガのスタイルは、いくつぐらいあるのでしょう?伝統的なものもあれば新しいスタイルも次々に生まれているので、今では数えきれないほど何百と存在しています。ヨガ=ポーズと思っている人も多いのですが、中にはポーズをしないジャンルもあり、たとえば、瞑想や呼吸法、哲学(生き方)を実践するのもヨガなんですよ。ーーなるほど。では「ポーズをつくるヨガ」について、もう少しお聞かせください。「ポーズをつくるヨガ」は部屋を暖めて行う「ホットヨガ」と部屋を暖めずに行う「常温ヨガ」の2つに分けられます。「ホットヨガ」は室温40℃前後で湿度55~65%くらいに設定しているところが多いのですが、最近は「ホット」と「常温」の中間の温度で行う「ローホット、ナチュラルホット」という新種も出てきました。「ホット」が熱燗だとすると、「ローホット、ナチュラルホット」はぬる燗という感じでしょうか。ーーますます細分化......悩ましい。実は今、日本では約7割が「ホットヨガ」なんです。対して部屋を暖めない「常温ヨガ」は本格的で敷居が高いと思い込んでいる人もいるのですが、そんなことはまったくありません。どのスタイルも初心者クラスにいけば、一人ひとりのレベルに合わせて先生が教えてくれるので、心配はいりません。たとえば、サウナが苦手な人は「常温ヨガ」、ダイエット目的で汗をかきたい人は「ホットヨガ」と選んでもいいと思います。ーーところで、よく聞く「ハタヨガ」は「常温ヨガ」ですか?「ハタ(ハサ)ヨガ」は「ポーズをつくるヨガ」すべてのことを指すので、厳密には細かなスタイルのことではありません。「ホットヨガ」も「常温ヨガ」も「ハタ(ハサ)ヨガ」なんです。

自分にとって心地よい空間や先生を重視して

yoga_05.jpgーー数多くあるスタイルの中から、何を基準に選べばよいでしょうか。始める前からスタイルを決め込むより、実際に足を運び、先生や教室の雰囲気などを感じるうちに「この人から学びたい!」という出逢いがきっとあるはずです。まずは様々なヨガクラスの体験レッスンなどを利用してみるのがよいのではないでしょうか。相性の良いところを選ぶことが大切なポイントです。ーー家でも続けるためのコツがあれば教えてください。「1日1回ヨガマットを広げて、その上に立つ」それが何よりの続ける秘訣だと思います。お風呂上りなど、10分でもいいからマットの上に立てば、自ずと体が動き出してきますから。あと、柔軟性を高める、痩せる、難しいポーズが取れる、心穏やかになる、何でもいいと思うのですが、何かひとつでいいので目的意識を持つと達成する喜びが味わえますよ。

運動量の多いヨガは体にフィットするウエアで

yoga_06.jpgーー揃えるべきものはヨガマットとウエアですね。選び方を教えてください。ヨガマットの大きさは長さ約180cm、幅約60cmが一般的で、厚さは1~3mm(薄め)と4~6mm(厚め)の2種類に大別できます。初めての「マイヨガマット」はクッション性のある厚めの4~6mmで5,000~6,000円台のものがおすすめです。素材によって重さやにおいが変わるので、ゴムアレルギーの人は天然ゴム素材を避けるなどしてください。

ウエアは、ヨガのスタイルによって求められる機能に違いがあります。運動量の多いヨガはひらひらしたものだと邪魔になるので体にフィットするウエアが好まれますし、リラックス系のヨガであれば、アラジンパンツのようにゆったりとしたデザインのものでもOKです。やっていくうちに先生や周囲の人たちのウエアを参考に、必要なものが自然とわかってくると思います。

始める前からウエアを揃える必要はなく、最初は動きやすい服装、たとえばTシャツにショートパンツやスパッツなどで問題ありません。体験レッスンではヨガマットをレンタルしているところも多いので、気軽に参加してみてください。

今後ヨガは医療、スポーツ、ファッション、教育とともに

ーーこれから先、ヨガはどのように発展していくと思われますか? 3年後には日本でも国民の約10人に1人がヨガをやる時代になろうとしています。今はまだヨガよりランニング人口のほうが多いのですが、近いうちに同じくらいになるでしょう。

今後そうなってほしいし、そうなると確信しているのは、ヨガと医療がさらに近い関係になるということです。以前では考えられなかったことですが、今では産婦人科や心療内科で医師からヨガをすすめられることに何の違和感もない時代になりました。ガン患者ケアの一環としてヨガを実践する病院も出てきていますし、実際に病院の中でヨガクラスを設けているところもあるほどです。

少子高齢化が進む今、高齢者がいつまでも元気で自立歩行でき、認知症にならないことが求められています。若い頃からヨガを実践しておくとインナーコアが鍛えられ足腰が強くなるので、健康寿命を延ばすことにも貢献できると思います。未病といわれる健康以上病気未満のグレーゾーンの人たちにも効果があるということは認められ始めています。

ーー他のスポーツとのつながりも広がりそうですね。そうですね。アメリカでアスリートがヨガを取り入れていることはすでにお話ししましたが、日本でもサッカー日本代表の長友佑都選手がヨガを実践していますね。憧れの選手がヨガを取り入れていることを知り、早速子どもたちが興味を持ち始めていて、この流れはサッカー以外のスポーツにも広がっていくと思います。トップアスリートだけでなく、趣味のスポーツを楽しむ人たちにも「ケアとしてのヨガ」がますます広がっていくのではないでしょうか

また、ヨガはファッションにも影響を及ぼしていて、ヨガウエアを普段着とする流れもあリます。「アスレチック」と「レジャー」を組み合わせた造語、「アスレジャー」というファッションスタイルが注目されていますが、ジムでエクササイズするようなスポーツウエアを街でも着こなすこの流れは、ヨガウエアブランドとして創業した「ルルレモン」から始まったと言われています。ヨガウエアブランドが今やライフスタイルウエアブランドとして大きく成長。着心地の良さや健康志向の高まりとともに若者を中心に支持されています。

ーー医療、スポーツ、ファッション。ほかにもありますか?ヨガと教育もこれから期待される分野です。今年の夏、全国高等学校野球選手権大会(甲子園)に茨城県代表として出場した土浦日本大学高等学校にはヨガトレーナーがついていて、今や学校教育にもヨガが組み込まれ始めています。教育の中でヨガに触れる機会を増やしていくことも、今後取り組んでいきたいことのひとつです。

ヨガにはフィットネスの要素やセラピー的な要素など様々な側面があります。だからこそ、何百ものスタイルが生まれているわけですが、ヨガの持つ多様性があらゆる人や業界とつながりやすくしているのだと思います。ヨガだけを極めるもよし、何かほかの目的のためにヨガをやるもよし。一人ひとりに合うヨガがきっとあるはずです。ヨガを通じて、一人でも多くの人が心と体を整えて「自分らしく生きられる」世界になること。そう心から願っています。

文 / 山本千尋image via Shutterstock

yoga_miki-1.jpg酒造博明(みき・ひろあき)さん株式会社オハナスマイル代表取締役社長。ヨガジェネレーション代表。ヨガアライアンス(RYT200)認定。ヨガ指導者養成講座 ビジネスパート担当。広告代理店勤務を経て、2004年株式会社Lotus8の立ち上げに参加、取締役に就任し、ヨガ雑誌『Yogini』の制作業務にも携わる。2005年 ヨガスタジオ Studio+Lotus8(スタジオ ロータスエイト)設立、スタジオ統括を担当。様々な有名ヨガインストラクターとともにヨガイベント、ヨガワークショップを企画運営。また、ヨガスタジオ立ち上げや立て直し等のコンサルティング業務を多数経験。2008年に独立、オハナスマイルを設立しヨガポータルサイト『ヨガジェネレーション』の運営を開始。日本最大級のヨガアパレル通販『東京ヨガウェア2.0』立ち上げや関西最大のヨガイベント『YOGAsmile|ヨガスマイル』イベントも企画運営。日本のヨガ業界のさらなる繁栄のため、職業としてヨガインストラクターというジャンルが成り立つよう、ビジネスの側面からも様々なサポートを行う。

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