「ドライヤーの使い方を勘違いして、髪を傷めている方が多いですね」と警鐘を鳴らすのは、美髪アドバイザーの田村マナさん。誰もがもっている家電でありながら、うまく使いこなしている人は驚くほど少ないのだとか。髪を乾かすためだけでなく、ツヤを出したり、寝癖を防いでくれたりと美髪に導くための、ドライヤーの正しい使い方をアドバイスしていただきました。

Q.自然乾燥とドライヤー、髪にいいのはどっち?

「いまだに"ドライヤーの熱は髪を傷めるから、時間があれば自然乾燥のほうがいいのでは?"という方がいらっしゃいますが、それは大きな勘違いです!」と田村さん。

濡れた状態だと髪のキューティクルは開いたままなので、もっともダメージを受けやすいのだとか。「それに、髪が生えていることで頭皮はムレたりしやすいもの。濡れたままにしておくと雑菌が繁殖し、かゆみやニオイが生じることにもなりかねません。髪をきちんと乾かさないまま寝てしまうなんていうのは、濡れた髪がこすれて傷むし頭皮はムレるし、最悪です!」。自然乾燥を続けていると、ツヤが出ない、髪がパサつく、カラーが退色しやすいなんて悩みも出てくるので要注意。正しくドライヤーを使うことこそ、髪と頭皮に優しいケアだと心して。

Q.ドライヤーの選び方を教えて

「ちょっと前までドライヤーは白物家電でしたが、今は立派な美容家電になりましたよね。何を使うかによって仕上がりがまったく違ってくるので、自分の髪悩みやなりたいスタイルに合わせて選んでください」(田村さん)。

まずチェックすべきは、熱ではなく風量で乾かすタイプかどうかということ。ワット数ではなく、1分間の風量が1.3平方センチメートル以上のものを選ぶのがポイントだそう。

「ボリュームを出したい方、早く乾かしたい方はぜひダイソンを。風量が他と比べて強いのですぐに乾くし、空気をはらんだふんわりヘアになります。パサつきが気になるなら、水分をしっかり髪に送り込むパナソニックのナノケアがいいですね。自動で温冷が切り替わるし、しっとり仕上がるので納得いくはず」

Q.なかなか乾かない! クイックドライのコツは?


髪が長い場合はもちろんだけれど、傷んで水分を内側に含みやすい髪もなかなか乾きにくくなるもの。そんなときに田村さんがおすすめなのが、タオルでしっかり水分をとるという、基本でありながらも効果てきめんな方法です。

「シャンプー後の髪は、30パーセントの水分を含むため、ドライヤーで乾かすのは大変。タオルの吸水力をしっかり活用すべき。私はシャンプー後、タオルを2枚使います。1枚でお風呂上がりすぐの髪をタオルドライし、それが濡れたら新しいものに取り替え。こうして2枚でしっかり水分をとると、ドライヤー時間がぐんと短縮されますよ」

Q.頭皮用のローションや美容液、何のためにあるの?

「頭皮用のローションや美容液を使っていない方がいまだに多いのですが、もったいない!」と田村さん。かゆみやニオイの予防というと中高年男性のためのものと思ってしまいがちですが、女性も早めから使うべきなのだそう。

「目的によって何を使うかは違ってきますが、30歳過ぎたら使うのがおすすめ。たとえばアリミノのミント スパークリングスプレー 40g 1,296円(税込)など爽快感あるスプレーは汗や皮脂を抑えるので、若い方こそ使うべき。酸化を抑えてメラニンを活性化したり炎症を抑えるタイプは、白髪予防にぴったりです。THREEのスキャルプ&ヘア リインフォーシング トニックウォーター 120ml 4,104円などはその典型。抜け毛が気になり始めたアラフォー、アラフィフならCA101の薬用 スカルプエッセンス 120ml 6,480円あたりがいいでしょう」。ちなみに顔と頭皮は一枚の皮でつながっているので、頭皮をふっくらみずみずしく保つことで、顔のたるみ予防もできるというから見逃せません。

Q.ドライヤーの熱ってダメージはないの?

かつてはドライヤーの熱が髪を傷めるといわれていたけれど、田村さんによれば、いまどきはさほど気にしなくていいそう。「髪に損傷がみられるのは、150度で3秒以上あてたとき。いまどきのドライヤーは120度くらいですし、空気に触れてある程度は熱が冷めているので、温度はあまり気にしなくても大丈夫です」。

コテで巻くときならいざ知らず、いまどきのドライヤー程度の熱ならプロテクトするコスメを使わなくても大丈夫なレベルなのだとか。「とはいえ同じ箇所にドライヤーをあてすぎるのは負担になるので、少しずつ移動させながら、頭皮まできちんと乾かすこと。そして、8割がた乾いたところで冷風モードにして仕上げましょう。髪にツヤが生まれますし、冷めるときに髪は形状記憶するので寝癖がつきにくくなります」。

丁寧に乾かせば髪が傷みにくく、ヘアスタイルの土台もできることに。ついた寝癖を直すのは大変なので、テレビや雑誌を見ながらではなく、鏡を見ながら集中して乾かすのがおすすめです。

Q.意外と知られていない正しいドライヤーのかけかたって?

自己流の使い方をしていると、きちんと乾いていなかったり髪を傷めていたり、はたまた寝癖がついてしまったり......。

田村さんによるドライヤー3原則の1つめは「地肌をきちんと乾かす」ということ。つい髪を乾かしたくなりますが、じめじめが残って不衛生になりがちなのは頭皮です。2つめが「ドライヤーを振る」というコツ。1カ所に熱を加えすぎるとダメージのもととなるので、ドライヤーをもった手の手首をフリフリして動かしながらかけます。そして3つめが「上から下へ」という原則。キューティクルが閉じやすくなるので、ツヤのある美髪に整うそう。


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田村マナ
美髪アドバイザー。エル・ド・ボーテ代表取締役。日本毛髪科学協会認定毛髪診断士、日本スカルプケア協会認定スカルプケアリスト。自身がストレスから20代半ばにして抜け毛に悩まされ克服した経験をもとに、美髪を育てるメソッドの啓蒙や製品の開発に携わる。著書に『髪が10年若返る 頭皮ケアで始める美髪バイブル』(講談社刊)



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