タイ料理のお店でよく見かける 「ヤムウンセン」。辛くて甘酸っぱいた風味と、野菜や春雨の独特の食感がやみつきになっている人も多いのでは?そんな「ヤムウンセン」のレシピをFOODIEからご紹介します。
マンゴツリー直伝「ヤムウンセン」の作り方
本場の味に近づける 3つのポイント
・春雨、えび、いか、ひき肉はゆで立てを使う
・砂糖はしっかり加えて「辛み・酸み・甘み」のバランスを保つ
・葉ものは食べる直前に混ぜて、シャキシャキ食感に<材料>(2~3人分)
緑豆春雨…70g
干しえび…15g
きくらげ(乾燥)…10g
むきえび…8尾
いかの胴…1/2はい分
豚ひき肉…30g
にんじん(細切り)…20g
紫玉ねぎ(薄切りにし、さっと水にさらす)…1/4個分
タイ産の生赤唐辛子(斜め小口切り)…1~2本分
※タイ産は辛さが強くてシャープ。国産を使う場合、増やすとよい
ホワイトセロリ(ざく切り)…4本分
※セロリで代用可
万能ねぎ(ざく切り)…2本分
パクチー(ざく切り)…3枝分
<たれ>
ナンプラー…大さじ2と2/3
マナオ(タイライム)の絞り汁…大さじ3
※ライム、すだち、かぼすの絞り汁で代用可
グラニュー糖…小さじ3と1/2<作り方>1)春雨、干しえび、きくらげをもどす
春雨、干しえびをぬるま湯に20分ほど浸してもどす。春雨は10㎝の長さに切る。きくらげは冷水でもどし、細切りにする。「えびがたくさん採れるタイでは、生えびと一緒に干しえび、えびの発酵調味料、えびの香味油などを合わせて、うまみをプラスする『えびのダブル使い』が定番。春雨は原料がじゃがいものでんぷんではなく、緑豆のでんぷんのものを使ってください。細くても、強い弾力があります」
2)えび、いか、ひき肉をゆでる
むきえびは背を開き、あれば背ワタを除く。いかは斜め格子の切り込みを入れ、ひと口大に切る。えび、いか、ひき肉の順にそれぞれザルに入れて、さっと塩ゆで(塩は分量外)にして、水気をきる。「タイではよく、ひき肉をゆでてから調味料とあえて前菜にします。炒めるよりも食感がふんわりとして、さっぱりした味わいに」
3)春雨をゆでて、熱いうちにたれを吸わせる
ボウルにたれの材料を入れておく。春雨をザルに入れて熱湯で20秒ほどゆでて水気をきり、すぐにたれに加えてあえる。「春雨が熱いうちにしっかりたれを吸わせることで、仕上がりの味が決まります。たれに使うグラニュー糖は多く感じても減らさないこと。タイ料理は『辛み・酸み・甘み』でバランスをとるので、甘みが少ないと味のバランスが悪くなります」
4)具を加えて混ぜる。葉ものは食べる直前に!
3)に①ひき肉、干しえび、いか、えび、赤唐辛子、②きくらげ、にんじん、水気を絞った紫玉ねぎ、③ホワイトセロリ、万能ねぎ、パクチーの順に加えて、その都度ふんわりと混ぜ合わせる。器に盛り、好みでパクチーのざく切り(分量外)を飾り、温かいうちにいただく。「①はうまみ食材、②は食感の良い食材、③は香りの葉ものです。とくに葉ものは時間が経つと水分が出てくるので、必ず最後(=食べる直前)に加え、シャキシャキ感をキープします」
春雨のぷりぷり食感、ハーブの香りが引き立つ!
まだ温かいヤムウンセン。春雨はプリップリと弾力がありみずみずしく、えび、いか、ひき肉のうまみとハーブの香りが際立っています。タイ産の生赤唐辛子は少量なのに、辛さがピリリと強くてシャープ! 汗がじわっと流れ出ながらも、箸が止まりません……。「タイのサラダは油を使いませんが、代わりに肉やえびなどのうまみ食材とハーブの豊かな香り、辛さ・酸み・甘みのバランスで、深い美味しさに仕上げるのが特徴です」
タイ料理の真髄を伝えてくれるヤムウンセン、ぜひお試しを!
「FOODIE」
取材協力/マンゴツリー 統括シェフ 天野 中さん
マンゴツリー統括シェフ、天野中さん
タイ国認定の本場タイ料理店・マンゴツリーの統括シェフ。伝統の味を守りつつ、日本人の感性を生かした洗練された料理に定評がある。マンゴツリーデリ伊勢丹新宿店で取り扱っている、パッタイ、カオマンガイ、ガパオ、トムヤンクンなど、テイクアウトで楽しめる料理監修も務めている。