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ユーモアと笑顔で絶望を乗り越える『ギフト 僕がきみに残せるもの』出演者インタビュー

ユーモアと笑顔で絶望を乗り越える『ギフト 僕がきみに残せるもの』出演者インタビュー

バケツに入った氷水を頭からかぶる「アイス・バケツ・チャレンジ」で広く知られるようになった難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)」は、筋肉への伝達機能が徐々に失われ、数年のうちに歩行や呼吸ができなくなる病気。認知能力は残り、患者はすべてを感じるものの体を動かすことができず、診断後の平均余命はアメリカでは2〜5年と言われています。

ALSを宣告された元NFLのスター選手が残した映像

NFLニューオーリンズ・セインツ現役時代に輝かしい功績を残した元アメリカン・フットボール選手スティーヴ・グリーソン。彼は、選手生活を終えたある日、突然ALSを宣告されます。

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© 2016 Dear Rivers, LLC

そして、そのすぐ後に妻との間に初めての子どもを授かったことが判明。そこでスティーヴは、生まれてくる子に向けてビデオダイアリーを撮りはじめます。火を起こす方法やデートの仕方など、父親として残せるものをすべてを記録。同時に彼は、自身の父親とのギクシャクした関係についても修復しようとするのです。

そのビデオダイアリーによって構成されたのが、2017年8月19日(土)から公開になる映画『ギフト 僕がきみに残せるもの』。

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© 2016 Dear Rivers, LLC

全米で30近い賞を受賞&ノミネートされたこの映画は、スティーヴ自身や友人らによって困難を乗り越えていく様子が映し出され、生きたいと願うスティーヴと彼を支える家族の日常を垣間見ることができてとても感動的......なのですが、この作品が通常の闘病ダイアリーと違うのは、辛い状況を知ってもらうものではなく、とてもリアルで愛溢れ、ユーモアいっぱいな仲間たちとの日々が描かれている点です。もし私自身が同じような状況になったら、日々悲しんでパニックになって、ボロボロになりそうですが、スティーヴや家族はとてもポジティブ

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© 2016 Dear Rivers, LLC

彼らは、非営利団体チーム・グリーソンを設立し、最新テクノロジーや設備・サービスを通じて患者の手助けをし、ALSへの世界の注目を高めることをミッションとし、活動をはじめます。また、ALSをはじめ、脳性麻痺、脊髄損傷などコミュニケーションにおける障害を持つ人に必要な音声合成機器の保険適用を保護する法律、その名も「スティーヴ・グリーソン法」を実現。2015年7月15日に米国下院を通過し、同年7月30日にオバマ前大統領が正式に署名し、法律化もしました。

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© 2016 Dear Rivers, LLC

今回、ALSの夫をサポートし、アメリカまでを動かした妻ミシェルさんに直接お話を伺うことができました。

難病の夫をポジティブに支える家族のパワー

映画を見ていて感じたのは、彼女の明るさ。友だちと一緒になってスティーヴを支え、とにかくユーモア溢れる会話でよく笑い、終始楽しい様子が伝わってきます。通常のドキュメンタリーでは隠してしまうような、排泄ができなくなっていく姿まで映し出されているのですが、そこでも彼らの間に笑いが起こるほど。そのポジティブさは、どこからきているのでしょうか。

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© 2016 Dear Rivers, LLC

「スティーヴも私も病気以前にとても充実した愛に溢れる家族、友人、息子に囲まれて生活をしていたからだと思います。私自身がオープンで正直で、リアルではないものを見せることができないタイプなんです。実際に私も悩んで輝けない時もあったのですが、それは周りにとってもよくなかった。なので、私も息子もポジティブでいることはみんなにとってもいいことだと思っています。オープンすぎて、たまに問題を起こすこともあるんですけどね(笑)。

それに、いろんな人がサポートしてくれているからできています。これがスティーヴと私だけだったら、トイレに連れて行くだけでも大変で笑ったりできる状況ではなかったと思います。スティーヴの病気があまりにひどいので、毎日ユーモアで乗り切っているんです。全てをオープンにして笑って、時にシリアスになることもあるけど、その時は、ジョークを言ったりして、なんとか立ち向かっているんです。それを乗り越えれば、明日はもっといいことあるんじゃないかな。」(ミシェルさん)

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© 2016 Dear Rivers, LLC

ミシェルさんや息子さん、友だちが輝いているのが一番の薬。その明るさがスクリーンを通して伝わり、見ているものにも勇気や元気を与えてくれています。ミシェルさんは、自分の経験をもとに力強いアート作品を手がけるようになり、昨年のサンダンス映画祭で自身のアートの展覧会を行ったところ、全てソールドアウトになったほど注目されました。

「私は、もっと息子と一緒にいたいですし、もっとアートをやりたいです。創造性、クリエイティビティと自分自身の収入も欲しいと思っています。アート活動は全ての経験から生まれていて、それは私にとって新しいこと。

私は、いつも悲しいとか心配している状態ではいたくないんです。過去に引きずられたり、未来のことを心配したりするのではなくて、今、現在に腰を落ち着ける状態でありたいと思っています。まだ自分がこうありたいと願う状態には到達していないので、そこに向かってがんばっています。」(ミシェルさん)

看病に家庭にチーム・グリーソンの活動にと、とても忙しいにも関わらず、ひとりのアーティストとして自立した気持ちを持ち、ひたすら前を向いているミシェルさん。そして、実際にお会いしてさらに感じたのが、スティーヴを愛する気持ち。インタビューの間も彼にメッセージを送っていたりしたのですが、彼とコミュニケーションができる視線入力装置などの機器の発展にも驚きました。

「スティーヴは肉体的な状態は安定していて、これ以上悪くなることはないので、彼は息子のことやいろんなプロジェクトやチーム・グリーソンの活動にフォーカスしています。テクノロジー面に関しては、マイクロソフトと協力したり、政府からもちゃんとお金がでるようにもっと働きかけていきたい。

最終的にASLの治療薬が開発されればいいと思っているのですがそれはまだこれからなので今、私たちはできるのはテクノロジー機器に集中して、みなさんに提供することだと思っています。」(ミシェルさん)

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© 2016 Dear Rivers, LLC

今後もミシェルさんは、持ち前の明るさで世界中の患者たちのために活動をし続けるに違いないと確信した今回のインタビュー。スティーヴと同じ病気でなくても、実際に病と闘っていたり、家族の介護をしている人にもぜひ見て欲しいです。そして、難病だからといって特別ではなく、普通のどこにでもいる家族のシーンに誰もが共感でき、改めて身近な人の存在のありがたみを感じるはず。

そして、チーム・グリーソンを支援するパール・ジャムエディ・ベダーが、劇中の音楽を提供し、本編にも出演しているのもちょっとした"ギフト"になっていますよ。

ギフト 僕がきみに残せるもの

2017年8月19日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷他にて全国順次ロードショー。

松崎桃子

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