箸休めの定番「塩もみキュウリ」。塩をふってもむだけなので、料理が苦手でも、急いでいるときでも作れる便利なメニューです。その簡単レシピに「茹でる」ひと手間加えるだけで、劇的においしくなるのだとか。
塩もみの前に茹でて食感アップ
グラグラ沸騰したお湯の中でくつろぐキュウリ。なかなか見ない光景です。伊勢丹新宿店のシニア野菜ソムリエ・小島孝夫さんによると、塩もみする前に茹でるという下処理は、和食の料理人では当たり前の工程なのだとか。キュウリを茹でる理由は3つありました。
・余分な水分が適度に抜け、弾力のある食感になる・緑色がより濃く鮮やかになる・雑菌を除くことができる
(「FOODIE」より引用)
みずみずしいキュウリを茹でたらフニャフニャになってしまうんじゃないかと思いきや、むしろ弾力がアップするというのは意外。キュウリの表面(とくにイボのまわり)には細菌がつきやすいと聞いたことがあるし、口当たりもよくないので、これまでは軽く皮を削いでいましたが、熱湯に通すことで消毒にもなるようです。
プロの味になる「塩もみキュウリ」のレシピは以下の工程です。
1. キュウリは塩をまぶし、まな板の上で3~4回ゴロゴロと転がす(=板ずり)。熱湯に入れて10秒~1分茹でる。
2. キュウリの先端部分は切り落とし、薄切りにする。
「できれば、イボのない部分は繊維に沿って、イボのある部分は繊維を断つように輪切りにと切り分けるといいでしょう。イボのない部分はえぐみをおさえることができ、イボのある部分は種ばかりになるのを防げます」(小島さん)
3. キュウリに塩をまわす。
「キュウリの水分を抜いてしんなりさせ、味が入りやすくするために行います。おすすめは3%の塩水(水500mlに塩大さじ1)に入れて、15分ほどおいてから水気を絞る方法。塩をふって水分が出きたら水気を絞る方法よりも、塩が均一にまわるので簡単です」(小島さん)
4. しっかりと水気を絞る。
(「FOODIE」より引用)
これまで「塩もみキュウリ」はシャキシャキ食感でしたが、このレシピで作るとポリポリッと力強い食感に変わるのだとか。また、青臭さや水っぽさが抜けるので、キュウリの旨味が引き立って香りも良くなるのだそう。
たったひと手間でランクアップする「塩もみキュウリ」。ミョウガやシソと合えれば、立派な1品に。さっそく試してみたくなりました。
[FOODIE]