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ほどほどを毎日続ける。心地よい「ドイツ式部屋づくり」という考え方

コンディショニング・ケア

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大森りえ

ほどほどを毎日続ける。心地よい「ドイツ式部屋づくり」という考え方

使いたいものが見つからない。「片づけなきゃ」が口癖になっている。そんな暮らしではストレスはたまるばかりです。

住まいを整えることは、こころの健康にもつながる――。そんな考えのもと、ドイツから長く実践されている片づけ術があるのだそう。日本人のお父様とドイツ人のお母様を持ち、幼少から"ドイツ式"の部屋づくりにふれてきた料理研究家の門倉多仁亜(タニア)さんにお話をうかがいました。

心地よい空間をつくり、維持するのが「ドイツ式」

tania_01.jpg今までに20回以上の引っ越し経験があるタニアさん。子どものころ、引っ越しのたびに言われたお母様の言葉を今でもはっきり覚えているそうです。それは「家はリラックスできる場所でなければならない。引っ越しをしたらとにかくできるだけ早く、居心地のよい家をつくることが大切」という教え。

「ドイツ人は、家のなかで過ごす時間をとても大切にします。いつも整っているので、急な来客があっても『片づけるからちょっと待ってて』とはならないですね(笑)。質の高い睡眠や栄養バランスのとれた食事をと心がけるのと同じように、部屋を整えておくことも健やかなこころとからだにつながるという思いがあります」(タニアさん)

「ドイツ式」をひと言で定義すれば、「心地よく過ごすために空間を整える。そして維持すること」とタニアさん。

「一生懸命に片づけたのに、1週間後には元通り」では"ドイツ式"とは言えません。片づけを毎日の生活リズムに取り入れることが大切だそうです。

物の定位置を決めて、出したら元に戻すだけ

tania_02.jpg「よし、片づけよう!」と気合いが入ったら、まず手にとってしまいがちなのが雑巾やブラシです。でも、片づけと掃除は別物だとタニアさん。

「私にとって、片づけは毎日の習慣で、掃除はついでにやるもの。もし空間を整えたいなら、"片づけ"から始めるといいですよ。掃除は、朝起きたら歯を磨いたついでに洗面台を掃除して、トイレにいったついでに掃除して、朝食の片づけをするついでにキッチンを掃除して、シャワーを浴びたついでにバスルームの掃除をする。ね、簡単でしょう?」(タニアさん)

片づけは、物の定位置を決めて、出したら元の場所に戻す。ただそれだけ。片づけは自分が心地よさを感じるためのものなので、完璧にやろうとしないことが継続のコツです。

片づけは、"ここまでやれば"という自分なりのゴールを設けないとキリがないんです。私は、朝はある程度キレイになったらコーヒーを飲みながら新聞を読む時間を確保しますし、夜は夕食の片づけが終わったらもう何もしないと決めています。だからワイングラスがテーブルに置きっぱなしのことも(笑)。

私の母は、寝る前に翌朝のテーブルセッティングを終えていないと気が済まないと言っていましたが、それもその人のやり方。自分が心地よければ、それでOKなんです」(タニアさん)

ドイツ式片づけ術を成功させる3つのポイント

片づけが苦手。でも、このままはイヤ。居心地のいい家でストレスなく過ごしたいし、人を招いて楽しい時間を過ごしたい。そう思っている人に、タニアさんが3つのアドバイスをくれました。

引き出しひとつからスタート

tania_03.jpg部屋全体をきれいにしようと思わず、まずは引き出しひとつを片づけることから始めます。ポイントは物を全部出して空っぽの状態にしてから必要なものだけを入れること。小さな達成感を積み重ねると片づけが楽しくなり、引き出しひとつから、タンスひとつに、いつの間にか部屋全体がきれいになっているはず。いつも使う引き出しから始めるのがおすすめです。

苦手な家事は時間をはかる

tania_04.jpg苦手な家事があると、やらなきゃやらなきゃと思うばかりで時間ばかりが経ってしまいます。私はアイロンがけやベッドカバーの交換が苦手。でもやらないと片づかないので、時間を計ってみました。すると4~5分しかかからない。大したことないんだと気持ちがラクになり、苦手意識が薄れました。

物を持たない生活を心がける

tania_05.jpg物が多いと片づかないだけでなく、管理するのも大変でストレスになります。私はシーツやバスタオルは、いま使っているものと予備の2枚しか持っていません。服や小物も買い替えることはしても、買い足すことはあまりしません。物を捨てることは片づけ成功の近道ですし、物を持たない暮らしって意外と気持ちがいいんです。

「整った暮らしの心地よさを知ると、片づけせずにはいられなくなりますよ」とタニアさん。自分がハッピーでいられる空間をつくることで、自分自身を知る機会にもなるといいます。

完璧を求めず、ここまでやればいいという「ほどほど」を毎日続けることが大切。部屋が整うころには、自分のこころとからだのコンディションが整ってきたことを感じられるはずです。

門倉多仁亜(かどくらたにあ)さん1966年、神戸市生まれ。日本人の父とドイツ人の母を持ち、ドイツ、アメリカ、日本で育つ。現在は料理研究家として活躍しながら、ドイツ式ライフスタイルの心地よさをテレビや雑誌などを通じて発信。2009年からはご主人の故郷である鹿児島県鹿屋市に家を持ち、東京と鹿児島、そしてドイツを行き来する日々を送っている。『タニア式 台所しごとがシンプルになるルール』(学研プラス)、『タニアのドイツ式部屋づくり』(SBクリエイティブ)など著書多数。HPはこちら

写真/内山めぐみ

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