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兵庫県の北部に位置する豊岡市は、山陰海岸ジオパークを有する日本海や山々が暮らしのすぐ隣にある豊かな土地。2005年に、旧豊岡市、城崎市、出石町、但東町、日高町、竹野町が合併し、兵庫県でもっとも広い面積になりました。

観光地として有名なのが、志賀直哉が『城崎にて』を執筆した美しい温泉街・城崎や、但馬の小京都と呼ばれ小皿に盛られた出石そばが名物の城下町・出石。その他にも、竹野浜海水浴場の海水浴、神鍋高原のスキー、奈良時代から続き柳細工を起源とする鞄産業、但馬牛や松葉ガニもよく知られています。

数年前から私が豊岡に通うようになったきっかけの一つが、友人家族が東京から豊岡に移住したこと。訪れるたびにたくさんの出会いに恵まれて、今では大好きな方たちが暮らす第二の故郷のような存在。それから豊岡は「古事記」や「日本書紀」に伝わるお菓子の神様・田道間守命(たじまもりのみこと)の生誕地。田道間守命を祀る「中嶋神社」は国内の製菓業者から崇敬を集め、日本各地に根付くお菓子を研究したり紹介したりしている私も、たびたび参拝しています。

いつも豊岡の旅から帰るときには、両手に食材やお菓子をどっさり。東京では有楽町で用事があると、ちょっと友人の家に立ち寄るような気持ちで豊岡市のアンテナショップ「コウノトリの恵み 豊岡」へ赴き、かにや但馬牛の加工品、米、調味料、お菓子と、何かしら豊岡の味を買って帰ります。イベント時など不定期で入荷する「Sweets&Books キノシタ」のレーズンバターサンドも大好物。見かけたらぜひ。

「コウノトリ育むお米」たじま農業協同組合

20170721_local_01.jpg豊岡は人とコウノトリがともに暮らす土地。一度は絶滅した野生のコウノトリでしたが、再び共生できる環境を作ろうと、保護・繁殖・野生復帰の事業が行なわれてきました。今では豊岡の空を飛んだり、田んぼで羽を休めたり、日常風景の中でその美しい姿を見ることができます。「コウノトリ育むお米」は、野生復帰を果たしたコウノトリが住みやすい環境作りの一環として作られたお米減農薬農法に取り組み、コウノトリの餌場になるようにカエルやドジョウなどたくさんの生き物が生息する田んぼから収穫されたもの。

コウノトリは古くから「幸運を運ぶ」と言われることから、縁起のいい贈りものに選んでも。この黄色い袋入りは2合入りで、一回で食べきれる量。最初のお試し用としてはもちろんのこと、ちょっとしたお礼や手土産にもぴったりです。

「甘糀」「もろジェノ」HANAFUSA

20170721_local_02.jpg江戸時代に糀屋として創業し、醤油や味噌の醸造を手がけてきた「花房商店」。近年、旨味がぎゅっと詰まって体にもいいと発酵食品が再び注目を集める中、身近に糀を感じられる新たなブランド「HANAFUSA」が誕生しました。「甘糀」は、「コウノトリ育むお米」で仕込んだ糀で発酵させた甘酒。砂糖の代わりに料理やお菓子に使うこともできるし、水やお湯で割って甘酒として味わっても。砂糖に比べて低カロリーですっきりとした甘さが特徴です。

「もろジェノ」は、自社栽培の有機バジル、もろみ味噌、エキストラばーじんオリーブオイル、にんにく、くるみ、アーモンド、松の実、ピーナッツを合わせて、塩糀でペーストにしたパスタソース。ほんのり和風の味付けなので、うどんやそうめんにもよく合います。それから、肉や魚の炒めものなど、アレンジを考えるのも楽しい。この2種類の瓶詰めの他、「塩糀」「醤油糀」「するめ糀漬」「もろみみそ」などが揃っています。

「丹波黒豆ジャム」鹿野AB

20170721_local_03.jpg古くから兵庫県丹波地方で栽培されてきた栄養たっぷりの丹波黒大豆。大粒で色もよく甘みがあってもっちりとした口当たり。豊岡では、黒豆煮や、おかき、焼き菓子など、色々な料理に使われています。

そんな丹波黒大豆に、黒ごまやハチミツを合わせてペーストした「丹波黒豆ジャム」。こっくり甘い黒豆と、黒ゴマの滋味が、口いっぱい広がります。パン、パンケーキ、お餅と合わせたり、ヨーグルトやアイスクリームに添えても。それからグラスに注いだ牛乳に、スプーン一杯のジャムを混ぜても美味。

コウノトリの恵み 豊岡
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館1F
電話:03-6269-9180
営業:10:30~19:00

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