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福井県は、「都道府県幸福度ランキング2016年版」で1位に輝いた県。さらには県民の平均寿命が男女ともに全国平均2位という、日本を代表する長寿県。日本は世界各国の中でも長寿国として知られることから、福井は世界地図を広げて見てもとりわけ長寿地域と言えるでしょう。

「なぜ?」の答えはさまざま。空気が澄んでいること。水がきれいなこと。栄養たっぷりでおいしい食材に恵まれていること。心地よく過ごすことのできる自然環境はもちろんだけれど、気質や衣食住の暮らしぶりを含めた県民性、特に地元に根付く食生活が関係していることは確かなはず。国民栄養調査で福井県の人々は、米穀物、魚介類、肉類、卵類を適度にバランスよく摂取することが分かっているそう。福井県出身の蘭学者・杉田玄白も江戸時代では超高齢の85歳まで長生きしましたが、健康長寿の秘訣に「養生七不可」を残し、「昨日の失敗を後悔しない」「度を過ぎた飲食をしない」「運動をして楽を好まない」など、ストレスをためず素朴に生きることの大切さを伝えています。

東京に福井県のアンテナショップは青山と銀座に2つあり、今回は銀座店「食の國 福井館」で見つけたものをご紹介します。青山店では取り扱いのないものが並んでいたり、店内で買ったものをその場で食べられるイートインカウンターもあるので、銀座線を利用して2店をともに巡っても。

日本屈指のリアス式海岸・若狭湾で採れる海の幸。肥沃な大地で収穫される山の幸。ミネラルたっぷりの名水を使ったお酒や飲みもの。コシヒカリ発祥地のお米や、戦国時代の大名も好んで食べたそば。うまみが詰まった調味料。福井の伝統的な絹織物・羽二重にちなむ羽二重餅などのお菓子。福井メイドの食べものを通して、幸せで健康な日々の暮らしのちょっとしたコツを紐解いてみましょう。

「なつめエキス」シーロード

20170714_local_01.jpgビタミン、鉄分、葉酸など栄養が豊富で、漢方・薬膳の世界では、冷え性・貧血・炎症緩和・強壮・美肌・疲労回復など、さまざまな体の悩みに効果があると言われ重宝されてきた、なつめ。最近では、花粉症の根本治療に役立つとの研究もあるそうです。

福井市北西部の棗(なつめ)地区は、約650年前から棗の里として知られています。なつめの主な産地は中国や韓国で、国産なつめは実に貴重。砂糖・保存料未使用のこの「なつめエキス」は、約5000本の木から若摘みした実を乾燥させてから、じっくり時間をかけてエキスを抽出。ヨーグルトやパンと合わせたり、炭酸水で割ったり。参鶏湯などの薬膳料理に使われているように、カレー、スープ、鍋、肉じゃがなど、身近な料理の隠し味にも。その他店には、なつめ茶や、乾燥なつめも並んでいます。

「梵の酒粕に漬けたクリームチーズ」米又

20170714_local_02.jpg眼鏡の産地として有名な鯖江市で無添加の純米酒のみを造る酒造・加藤吉平商店の銘酒「梵」。その純米大吟醸酒粕に漬け込んだクリームチーズは、日本酒やワインなどのお酒に合わせるのはもちろんのこと、はちみつやジャム、フルーツなどとも好相性。作っているのは、福井を代表する禅寺・永平寺に受け継がれる伝統の朝がゆや胡麻豆腐など、体に優しい福井らしい食べものを多く手がける米又。

「のらたまごマヨネーズ」マイファームオリジン

20170714_local_03.jpg坂井市三国町の海岸近くの鶏舎内で、コシヒカリ、大豆、遺伝子を組みかえていないとうもろこしなどを食べて、のびやかに動き回って育った、平飼いにわとりの卵「のらたまご」を使った贅沢なマヨネーズ。化学調味料を使用せず、酸味をおさえて作られているので、子どもたちも大喜び。そのまま野菜に合わせたり、ゴマを混ぜてアレンジしたり。なめらかなポテサラも出来上がります。マイファームオリジンは、農園レストラン、陶板浴、宿なども営んでいるという、いつか訪ねてみたい場所の一つ。

食の國 福井館
住所:東京都中央区銀座1-3-3 銀座西ビル1F
電話:03-5524-0291
営業:10:30~20:00(月~土)
   10:30~19:00(日・祝)

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