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日本流マインドフルネス。心を満たす「おかげさま」の作法

飯島綾子

日本流マインドフルネス。心を満たす「おかげさま」の作法

「おかげさまで」......という言葉。私たちはふだん何気なくつかっていますが、じつは和を尊ぶ日本古来の深い精神性が表れている言葉だということをご存知でしょうか?

「おかげ」というのは神様や自然、他者など、自分以外のあらゆる存在からいただいた恩恵のこと。「おかげさま」の言葉が象徴しているのは、「自分がいかに恵まれた環境にいるのか気がつき、人々の縁に感謝し、内側から満たされる」という日本古来のマインドフルネスな心のありようや作法なのです。

心豊かに生きていくためのヒント

勝つことや、とにかく上を目指すことが良いとされる現代社会では、足りないものばかりに目を向けてストレスを抱え込みがち。そんなネガティブな感情をコントロールするヒントとして、今回は神主の中島隆広さんの著書『日本人が大切にしてきた神様に愛される生き方』から日本の伝統的な「おかげさま」の作法をご紹介します。

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中島隆広著『日本人が大切にしてきた神様に愛される生き方』(株式会社アスコム)/ 1,000円(税別)

「得」よりも「徳」のために働く

自分の利益になることは「得」、一方でみんなの役に立つことは「徳」と言います。仕事をする上で自分の「損得」のことばかり考えていると、「給料が労働に見合わない」「私ばかりが働かされている気がする」など、ちょっとしたことでモチベーションが下がり不満ばかりを口にするようになります。

日本語の「働く」という言葉には、「傍の人を楽にする」という意味が込められているそう。働くことがストレスになっているときには、自分のしていることはどのように役に立っているだろうか、と落ちついて考えてみましょう。大きな視点で見れば、必ず誰かの役に立っているはずです。何かをするときにはまず「得」でなく「徳」について意識してみる。そうすることで自然と前向きな気持ちで物事に取り組むことができるようになります。

ていねいに食事をすると、自然と心が整う

食事の前後に手を合わせて言う「いただきます」「ごちそうさま」のあいさつ。この習慣には、食材となってくれた動植物や、それらを与えてくださった神様や自然、食事をつくってくれた人への感謝の気持ちが込められています。

これはマインドフルネスの教えのひとつ、今、目の前にあるお料理にまっすぐ向きあって感謝して食べる「マインドフル・イーティング」に共通する作法だと思います。瞑想プログラムに参加しなくても、日々の生活時間をつかって自分の心をゆっくりと満たすことができます。なかなかゆっくり料理をしたり食事をすることが難しいという人でも、食事中にスマートフォンをながめたり他のことをしたりする「ながら食べ」はやめて、1週間に1度でもいいので「目の前の食事に感謝し、集中していただく」といった習慣を続けてみましょう。

理想のありかたは「明浄正直」

神道では、理想とされる心のあり方を表す「明浄正直」という言葉があります。これは「明るく、浄(きよ)く、正しく、まっすぐに」という意味を表しているそう。周りの人に対して正直に明るく接する、という意味ももちろんあるでしょうし、自分に対して正直に、まっすぐに向きあう、という意味も込められているように思います。

今ここにあるものに光を当てて、気づく。このようなマインドフルネスの教えは、日本にすでに息づいていました。外からの刺激による幸福感は長続きしません。今あるものに感謝をする「おかげさま」の精神は、現代の生活にこそ取り入れたい日本古来の心を豊かにする知恵なのだと思います。

日本人が大切にしてきた神様に愛される生き方

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