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古くから「おきゃく」と呼ばれる酒宴が根付く高知県。親族・ご近所・職場や親しい仲間うちで、土佐料理やお酒を囲み、互いにもてなし合い絆を深める、陽気で豪快で情に厚い人柄でも知られています。土佐湾や四万十川、土地の8割以上を占める森林と、厳しくも豊かな自然とともに気風を育み、幕末のスター・坂本龍馬をはじめ、数々の偉人を輩出しています。さらには、「日曜市」や「高知オーガニックマーケット」「ひろめ市場」などの市がたち、美味しいもの、安全なもの、手作りのもの、体にいいもの、食への意識が高い土地柄でもあるのです。

幕末のヒーロー・坂本龍馬像が出迎える高知県のアンテナショップ「まるごと高知」1階「とさ市」には、産地直送の野菜や高知の食材を使った加工品が、高知名物の日曜市さながらに並んでいます。地下1階「とさ蔵」には、県内198蔵の日本酒と、焼酎約300種類がずらり。お酒とお酒に合うおつまみを合わせて求める男性客が多いのも、「まるごと高知」ならでは。私は、家に常備したい生姜やゆずの加工品の他、大好物の地元パン「ぼうしパン」や、まじめなお菓子の愛称で親しまれる「ミレービスケット」、シャリシャリ食感の「あいすくりん」など、主には甘いもの目当てで通っています。2階には、カツオのたたきをはじめ、高知の食材を使った料理が味わえるダイニングも。その名も「おきゃく」という店名です。

「ねぼけ ゆずポン酢」加寿翁コーポレーション

20170707_local_01.jpg高知県は何百年も前から、ゆず栽培が盛んな土地。全国生産量の約5割を占める日本一のゆずの産地で、食卓に欠かすことのできない存在です。そのため高知でポン酢といえば、ゆずポン酢が一般的。鰹のたたき、刺身、水炊き……土佐料理の美味しさを引き出す名脇役。「まるごと高知」にも20種類以上のポン酢が並んでいます。

そんな中、化学調味料を一切使用せず、キリッとした香りとまろやかなコクでおすすめしたいのが、「ねぼけ ゆずポン酢」。「幸運」「長寿」の意味を持つ「ねぼけ」は、大正6年創業の土佐料理の老舗。宗田節、かつお節、利尻昆布でとっただしに、五穀酢、本醸造醤油、高知県産のゆずなどの柑橘果汁を合わせ、品のある料亭の味に仕上げています。サラダや焼き魚、お肉の煮込み、何気ない家庭料理もグッと深みが増すのです。

「だしが良くでる 宗田節」ウェルカム ジョン万カンパニー

20170707_local_02.jpg20170707_local_03.jpg宗田節とは、マルソウダガツオ(メジカ)の節濃厚な味でコクが強いだしが出るので、プロの料理人の間でもおなじみ。そんな宗田節の全国シェア約7割を誇る町・高知県土佐清水市で生まれた、新しいおみやげ。足摺岬近海で水揚げされ、土佐清水で加工された宗田鰹が入った瓶の中に、家で使っている醤油を注ぎ、冷蔵庫で約2週間以上寝かせて熟成させるだけで、香りがよく旨味たっぷりのだし醤油に変わります。約1年間だしが出続けるので、醤油が減ってきたら注ぎ足しを。フタに、最初に醤油を入れた日が書き込めるようになっているので、使用できる期間の目安を忘れることもありません。煮物、鍋物、丼ものの味付け、冷奴、卵かけご飯、炊き込みご飯など、いろいろな料理の味付けに。だしが出なくなったら宗田節を瓶から取り出し、サラダや炊き込みご飯の具にどうぞ。

「碁石茶」大豊町碁石茶協同組合

20170707_local_04.jpg四国山脈の山奥で作られる碁石茶は、江戸時代から伝統の製法で受け継がれてきた日本で唯一の完全発酵茶。仕上げの段階で天日干しする際、発酵後に裁断された茶葉が黒い碁石のように見えることからその名が付きました。かつては嶺北地方の主要産物だったのが、生産農家が激減し、「幻のお茶」と呼ばれるほど貴重なものに。緑茶を漬物と同じように発酵させているので、植物性乳酸菌がたっぷり。その量はプーアル茶の20倍以上で、体内で他の微生物に負けずに働き、胃腸の調子を整えます。味は赤ワインにも似た独特の甘酸っぱさ。これがクセになるんです。

まるごと高知
住所:中央区銀座1-3-13 オーブプレミア 1Fとさ市・B1Fとさ蔵
電話:03-3538-4365
営業:10:30~20:00

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