食材の中には、何と一緒に食べるかで、健康への効果がアップするものがあります。フランスの雑誌『L’Express』が挙げる「身体に良い組み合わせの食材」をいくつか紹介しましょう。

1.豆類と穀類

栄養学者フロランス・フーコー氏によれば、

穀類には、(体内で合成できない)必須アミノ酸、リジンが欠損しています。豆類には、必須アミノ酸のひとつ、メチオニンが足りません。したがって、この2つを組み合わせることで、必須アミノ酸をすべて摂取することができます。

(『L’Express』より翻訳引用)

豆類と穀類の組み合わせ料理と言えば、フランスでは、クスクスと呼ばれる北アフリカ料理が有名です。野菜や肉をスパイスで煮込んだソースを、スムールと呼ばれる小麦原料の粒にかけて食べるのですが、必須なのがひよこ豆です。スムールとひよこ豆の組み合わせで、より身体に良い栄養源となっていることがわかります。

日本食は、豆類をよく使うので、この組み合わせの食事も多いように思います。大豆入りの五目飯はもちろんのこと、きなこをまぶしたおはぎやお団子も、良い食べ合わせといえそうです。

2.鉄分を含む植物とビタミンC

肉に含まれるヘム鉄と植物に含まれる非ヘム鉄は区別されます。後者は、体内吸収が、あまり良くありません。けれども、ビタミンCと一緒に摂ることで、非ヘム鉄の吸収率は高くなります。

(『L’Express』から翻訳引用)

日本ではほうれん草といえばおひたしですが、フランスではフレッシュなほうれん草は、生のままサラダにするのが最もポピュラーな食べ方。そういうサラダに、赤パプリカや柑橘類などビタミンCを多く含む食材を足すのも一案でしょう。

フーコー氏は、デザートとして「薄く切ったオレンジに、削ったブラックチョコレートをかけた」ものもすすめています。ブラックチョコレートとオレンジのマリアージュは、もはやデザートの定番とも言え、幾通りものレシピが存在しますが、栄養学的にも優れていると聞くと、ますます積極的に手を出したくなります。

3.ビタミンDとカルシウム

ビタミンDが、カルシウムの体内吸収を助けるのは、良く知られたこと。幸い、日本では、小魚や乾物、大豆製品をよく食べますから、この組み合わせの料理に困ることは、まずないでしょう。

フランスで、カルシウムを多く含む食品の代表といえば乳製品です。乳製品そのものにもビタミンDは含まれていますが、さらにプラスとなると、一番に思い浮かぶのはスモークドサーモン。水切りしたヨーグルトに、細かく切ったキュウリを混ぜて作るタジキや、白チーズに刻んだエシャロットを混ぜたペーストとスモークドサーモンの相性はなかなか良く、前菜の一品としても通用します。

また、L’Expressでは、スモークドサーモンの代わりにオイルサーディン使用もすすめています。この場合も、白チーズでも構いませんが、私の個人的なおすすめは山羊のフレッシュチーズ。レモン汁と一緒にサーモンをつぶしたところに、山羊のフレッシュチーズを加え、好みで玉ねぎやエシャロットのみじん切りや胡椒を加えて混ぜ合わせます。できたペーストは、スティック野菜やクラッカーのディップに、またスライスしたパンにはさんでもおいしくいただけます。

同じ食材を使うのでも、組み合わせひとつで、より身体に良い効果が得られるとあれば、ぜひ試してみたいところ。ただでさえ、暑くなると食欲も落ち気味ですから、口にするものの栄養をできるだけ多く体内に取り入れるためにも、「身体に良い食べ合わせ」を工夫したいものです。

[L’Express]

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