「正しく洗顔できていない人が多い」や「顔を洗ったほうが肌が潤う」など、驚きの事実が判明した前編「正しい洗顔のやり方って? 美肌ドクターが伝授!」に引き続き、洗顔の素朴な疑問を、医師の慶田朋子先生にお答えいただきました。今回は毛穴や敏感、ざらつきなど具体的なお悩みを洗顔で解決する方法をご紹介します。
Q1.毛穴が気になる。洗顔で心がけたいことは?
A1.洗いすぎないこと暑いシーズン、どうしても毛穴の開きやけばだちが気になるもの。皮脂がたっぷり出るからしっかり洗顔して......と思いきや、それが裏目に出ることもあるそう。「毛穴が気になるという方ほど"洗いすぎ"の傾向があるんです。ごっそり汚れが取れるパワフルな洗顔料や、毛穴がすっきりするパックを使っていませんか? そういう過剰なケアが負担となると、さらに毛穴が目立つように」(慶田先生)。もちろん余分な皮脂汚れは落とさなければいけないけれど、いじりすぎると肌は自身を守ろうとして角層が分厚くなり、毛穴がより一層目立ってしまうというわけ。「洗いすぎないこと、そしてシンプルな保湿を徹底すること。それから紫外線によるダメージも角層が厚くなる原因ですから、日焼け対策もしっかり行って」
Q2.肌トラブルを招きかねない、洗顔で見落としがちなことは?
A2.「すすぎ残し」と「不潔タオル」に注意「シンプルですが案外多いのが、清潔なタオルを使っていないケース。濡れた手や顔を拭いたタオルは、どうしても雑菌が増えてしまいます。特に高温多湿の夏は菌が繁殖しやすいので、タオルはこまめに替えたいですね。手や顔を拭いた後、そのまま干しておけばタオルは乾きますが、そこには雑菌がたくさんいますよ」と慶田先生。また、単純なミスだけれど髪の生えぎわのすすぎ残しも多発しているとか。「ヘアケア剤の付着やカットの仕方で毛先が当たるといった事も影響しますが、生えぎわにニキビができやすいという方はすすぎ残しの可能性大。ささっとすすぐのではなく、生えぎわまで丁寧に洗ってください。手でお湯をすくってすすぐなら20回くらい、お風呂で洗顔するなら、お肌の刺激になってしまうので温度はぬるめの36℃設定で弱流のシャワーで優しく洗い流すといいですね。
Q3.敏感肌です。おすすめのクレンジングや洗顔料のタイプは?
A3.選ぶならやはり敏感肌用ラインがおすすめ!肌がデリケートだと、オーガニックで優しそうなイメージのコスメに惹かれるけれど、慶田先生は「ドクターの立場からすると、敏感肌ケア=オーガニックのスキンケアとは限りません」ときっぱり。たとえば、人によっては植物成分でかぶれや炎症を起こすこともあるから、植物由来成分なら敏感肌でもOKと考えるのは間違いなのだそう。「大手メーカーなど研究機関がしっかりしているところは、繰り返しテストをして安全性を確保しています。そういったメーカーが出す敏感肌用のラインなら、肌への負担が最小限でトラブルを起こしにくいもの。ナチュラルなもののイメージに惹かれるのは理解できますが、敏感肌用のラインから選ぶといいですね」
Q4.泡立てネットは使ったほうがいい?
A4.泡立てが苦手な人にはおすすめ。ただし清潔に使って!洗顔は、とにかく泡のクオリティが大切と語る慶田先生。洗顔時にこすってしまうと洗顔料が角層内に入り込んだり必要な皮脂まで奪われてしまうけれど、もこもこの泡はそれを防ぐクッションに。おまけに洗浄力は高くなって、洗顔料も少なくて済みます。そんな良質な泡が簡単に作れる泡立てネットはおすすめだけれど、使い方に注意すべきなのだとか。洗面所やお風呂場に吊るしっぱなしという人が少なくないですよね。濡れた状態では雑菌が発生してしまうので、きちんと洗って外で干す、あるいは2つ用意して洗濯しながら交互に使うといったケアが絶対に必要。時々除菌剤に浸け置いてクリーンに保つのもいいですね」
Q5.肌がざらつく。硬い。そんなときのおすすめ洗顔は?
A5.酵素入りの洗顔料で優しくピーリングを「角質が厚みを増してざらつきを感じるなら、酵素入りの洗顔料を使ってみては? 優しいピーリング効果があるので、肌がなめらかに整いますよ」(慶田先生)。角質ケアというとスクラブを思い浮かべがちだけれど、スクラブで物理的にこするケアはひじやひざなどボディにとどめ、顔は酵素の力で優しく落とすほうがベターだそう。「毎日使ってOKなものも、週2回程度に留めるべきものもあるので、使う頻度は製品に合わせて。また、乾燥で荒れてごわつく可能性もあるので、硬く感じられる肌ほど保湿は入念に」
Q6.洗顔で、肌に必要な皮脂を落としていいの?
A6.潤いキープのために皮脂が果たす役割は、たったの3%肌表面でバリアとなって、潤いを守ってくれている皮脂。そもそも、それを洗顔で落としていいの?なんて声も......。ところが、慶田先生は「肌の水分保持において、皮脂が果たす役割は3%ほど。天然保湿因子(NMF)が17〜18%、細胞間脂質が80%と言われています」。つまり、潤いキープ力の97%は角層に備わっており、皮脂分泌量と肌の乾きはさほどリンクしていないそう。「皮脂はきちんと分泌されているのに肌が乾いて感じられる"インナードライ"という状態も、洗顔が原因ではなく角層の乱れからくることがほとんど。きちんと整った角層を育てるためにも、丁寧で正しい洗顔を心がけて」
銀座ケイスキンクリニック 院長 慶田朋子先生 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。「切らないハッピーリバースエイジング®」をモットーに、患者目線で美しく健康な肌を育てるための診療に携わる。自身もアトピー体質ながら、正しいスキンケアと知識で克服し美肌になった経験が。論文執筆やメーカーとの共同研究も多く手がけ、美容成分や最新の化粧品にも精通している。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)
(取材・文⁄高見沢里子)
Photo by Getty Images
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