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インドで一番気持ちがいい! ブッダが悟った場所

意識改革

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インドで一番気持ちがいい! ブッダが悟った場所

ヨガは体と対話する瞑想

前回は瞑想と出会ったきっかけについて紹介しました。今回は、これまで体験してきた瞑想についてざっと説明してみたいと思います。私はヨガの先生との出会いがきっかけで瞑想を知るようになったのですが、実はヨガそのものも、体と対話しながら行う瞑想だと思います。成瀬雅春先生から教わった内容で強い印象に残っているのが、「微細に体を観察すること」でした。ヨガを通して、自分の体がどう動くのか、そして体の動きに伴って心もどのように変化するのかということについて、意識を内側に向けて観察するよう教わったのです。当時はこれが一般的なヨガだと思っていましたが、その後さまざまな瞑想法も知るようになり、むしろブッダが教えたヴィパッサナー瞑想に近いアプローチだったのかもしれないと思います。ヨガの教室では、月に1度ほど瞑想会があり、参加者は教室で1時間自由に瞑想することができました。今なら喜んで瞑想しますが、当時はその1時間が非常に長く感じられ、座っていると落ち着かなくて体をもぞもぞ動かしたり、途中で薄く目を開けたりしていました。瞑想を始めた当初はこのような感じでした。そんな人もけっこういたようで、成瀬先生は「最初から深く入れなくてもよい。浅い瞑想状態でいい」と言っていました。

Point! 深い瞑想状態に入れなくても、浅い瞑想状態なら入れるはず

毎日10時間の瞑想を通して少しだけ見えたこと

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カトマンズ郊外の山から。遠くにヒマラヤが見える © Eiichi Matsumoto

インドに暮らしていた頃は、たくさんのハウスメイトが瞑想リトリートに参加していました。人気だったのは、ミャンマー在住のインド人ゴエンカ氏がはじめたヴィパッサナー瞑想です。インドを中心に多くの国にセンターがあり、参加者はドネーションだけで1週間のコースに滞在することができます。私もネパールのカトマンズの山の中にあるセンターに滞在することにしました。このコースは、朝5時から夜8時ごろまで、休憩をはさみながら1日10時間以上座るというものです。その間、おしゃべりはいっさい許されません。ただひたすら、ブッダが教えたシンプルな方法――呼吸と体を観察する――を行うのです。このときは、山の中で冷たい空気にさらされ、気管支炎を患ってしまいましたが、それでも、外国人向けの1週間を終えたあと、引き続きローカルのネパール人向けの2日間のコースまで参加するほど、かなり瞑想の喜びがわかってきました。リトリートが終わったあとの地元のネパール人女性とのおしゃべりで、ウィークディは仕事をしているけれど、週末になるとここに来て瞑想していると聞き、そんなライフスタイルがとてもうらやましかったことが記憶に残っています。今では日本でも、働く人が週末に瞑想をしたり、坐禅会に参加するといったことがごく普通に受け入れられるようになってきましたが、当時はまだ、瞑想は「特別な人のする不思議なこと」だったのです。

Point! 瞑想といういつもと違う時間を過ごすことで、仕事にもよい影響がある

人工的なものを排除する巡礼暮らし

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ヒンドゥーの神様をまつる祠 © Kyo Matsumoto

転職の合間にまたインドに数ヶ月滞在し、今度は巡礼をすることにしました。念願だったチベットの聖地カイラス山にはすでに行っていたのですが、バナーラスの外周を1周するパンチクローシーという巡礼に行きたくなったのです。その理由は、ヒンドゥー暦で非常に吉祥だとされる年まわりだから、というものでした。真偽のほどはさておき、このときも、「行きたいけど、スケジュールが許すかな」と思っていたら、状況がどんどん展開して、巡礼できることになったのです。女性ひとりだと危険なので、地元のおじさんおばさんの巡礼団に混ぜてもらって行きました。ボージプリというローカル言語を話す女性陣とはヒンディー語すら通じず、荷物を運んでもらっていたボート漕ぎのおじさんに通訳してもらいながらの、100パーセントの村の巡礼でした。

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女性たちは明るく話しかけてくる © Kyo Matsumoto

このときわかったのは、インドにおける巡礼とは、完全に古代の暮らしに戻ることであるということです。食事は、日干しの牛糞を使って素焼きの壷で調理し、葉っぱのお皿で食べ、体を洗うのに石鹸は用いず、テレビやラジオ、本やインターネットなど、人工的な刺激をいっさい遮断するのです。そうすると、木漏れ陽や、月や星、雲などが非常に美しく、いつまでも見ていたいと思えてくるのが不思議でした。星空の下でみんなで寝転んで、月に雲がかかり、また去ってゆくようすを見ているだけで、楽しくて仕方なくなってくるのでした。瞑想をすると世界が美しく、クリアに見えてくるのですが、この巡礼の期間も、ずっと瞑想状態だったと言ってもいいと思います。フリーランスになってからは、毎年数ヶ月インドに行くのですが、最近はブッダが悟った場所であるブッダガヤに滞在しています。ここで私は、完全に瞑想状態に入ってしまったことがあります。ブッダが悟った場所だけあり、ブッダガヤは非常に気持ちのいい場所で、とくにマハーボーディー寺という、悟りの菩提樹があるお寺には世界中からの巡礼者が集まります。座ってお経を唱えている人もあれば、五体投地というチベット式のハードなお祈りを一日繰り返している人もいます。仏教徒にとっては、一度はお詣りしたい念願の場所なのです。平和で穏やかな気が満ちており、そこにいるだけでとても気持ちがいいので、毎朝敷物を持ってお寺に行くうちに、自然に瞑想をはじめました。

気がつけば、ちょっと違う感覚に

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ブッダが悟った菩提樹の前で祈る僧侶 © Eiichi Matsumoto)

日本では瞑想というと「苦行」という印象もありますが、暑からず寒からず心地よい気温の中、そよ風に肌をなでられながら、花とお香の香りが甘く漂い、鳥がさえずるインドの大地で瞑想するのは至福といっていいでしょう。

Point! 瞑想は苦行ではない。まずは心地よくなれる場所を見つけて

ごく自然に目を閉じ、しばらくしてふと目を開くと、木漏れ陽がきらきら輝き、あたりの空間が得も言われず透きとおってきれいなのです。そんな毎日を過ごすうちに、ふと気がつくと、瞑想をしていなくて(お寺に座っていなくても)、心の中が喜びに満ち、世界が美しくてたまらないという状態になっていました。その状態は2週間ほど続きましたが、忙しく活動するうちに、次第にいつもの精神状態に戻っていました。今も私は、機会があれば瞑想会に参加したり、できるだけ自然の中で過ごす時間をつくるよう心がけています。生活の中に瞑想的な時間を取り入れることで、あのときの幸せな状態に戻るためです。幸い、瞑想はいったん通路が開けると、かなり容易にその状態に戻ることができます。もはや、かつてのヨガ教室の瞑想会で、時間が過ぎるのを待ちわびていたような状態になることはありません。これまで2回にわたって瞑想との関わりを振り返ってきましたが、次回からは、私がこれまで体験してきたさまざまな瞑想をひとつずつ掘り下げていきたいと思います。

松本恭

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