2004年、世界遺産に「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録されて以降、世界中から旅行者が訪れるようになった和歌山県。紀伊半島の温暖な気候に恵まれ、農林水産業が盛ん。

中でも、梅、桃、柿、みかんなど、果物の生産が多く、果樹王国として知られています。南北に長い和歌山県は、約650キロメートルの海岸線に囲まれ、まぐろ、しらす、たちうお、かつお、いせえびなど、地域ごと特色を生かした漁がおこなわれ、海の幸にも恵まれた土地。さらには、ユネスコ無形文化遺産に登録される「和食」に欠かせない、醤油や金山寺みそ、かつお節、高野豆腐、わさびなど、様々な食品の発祥地。「和食のふるさとは和歌山にあり」とも言われるほどです。私は数年前から、和歌山県田辺市の観光事業に携わらせていただいており、年に数回、和歌山県に通っているのですが、そのたび、ほっぺたが落ちるような味のよい海産物、みかんや梅を味わっています。

有楽町駅前の交通会館地下にある「わかやま紀州館」を訪ねると、梅干しの品揃えに圧倒されます。昔ながらの塩漬けの他、しそ漬け、はちみつ漬けなど、50種類以上が取り揃い、なんと全て試食ができるのです。梅エキス、梅酒、梅ジュースなど、梅を使った食品もあれこれ。みかんはもちろん、6月には青梅、7月にはあら川の桃と、新鮮な旬の農産物も入荷します。試食や質問をおこないつつ、自分好みを選びました。

「じゃばらサイダー」熊野鼓動

20170616_food_01.jpg「邪気を払う」が語源の「じゃばら」は、和歌山県だけに自生していた柑橘類。数年前から、花粉症をはじめとしたアレルギー症状に緩和効果があると話題になり、和歌山では色々なじゃばら製品が作られるようになりました。特色は野性味がありほろ苦い独特の風味があること。少し前に和歌山を訪れたとき、「じゃばら未体験だったら、これをぜひ飲んでみてほしい」と地元の方に勧められ、口にしたのが最初。以来、おみやげにしたり、自分用にも求めています。

すっきりとした酸味の中に、ちらりと感じる苦味と甘味。キンと冷やしてそのまま飲んだり、焼酎割りにしてみたり。添加物を使用せず、じゃばら果汁、てんさい糖、レモン果汁、食塩だけで作られているので、果実の生しぼりに近い自然の風味が感じられます。

「茶がゆ」オカザキ紀芳庵

20170616_food_02.jpg「和歌山では、茶がゆのことを『おかいさん』と言って、昔から朝食に食べる文化があるんですよ。梅干しにもよく合いますよ」和歌山の方にそう聞いて、茶がゆ用のお茶パックを買って帰ったことがありました。仕事の関係者や友人たちとの会食で、食べ過ぎてしまった翌朝や、体調が優れず食欲のないとき。和歌山で教えてもらった茶がゆを作り、体を休めるようになりました。

そんな茶がゆの即席商品。夏は冷やしたり、冬は温めるだけで簡単に味わえるので、おみやげやお見舞いにも重宝。原材料は国産米とほうじ茶のみ。あっさり喉を通ります。梅干しや金山寺味噌など、和歌山の特産品とも好相性。パッケージには、パンダ、みかん、温泉、海、森林など、和歌山の名物が描かれています。

「自然梅 恵」三尾農園

20170616_food_03.jpg日高郡みなべ町は、青梅や梅干しの日本一の生産地。梅の代表品種「南高梅」の発祥地でもある梅の里で、昭和59年から農薬や化学肥料を使わず無農薬有機農業をつらぬくのが「三尾農園」。土や空や生き物、自然と共存しながら作られる梅干し「自然梅 恵」の梅は、農薬、肥料、堆肥を一切使用せず、自然の循環の中で育てた、自家生産の完熟梅。それを高知県室戸岬産の海洋深層水の塩で漬け、天日で干しあげています。大地と海と太陽と、自然の力がぎゅっと詰まった赤い粒。夏バテや熱中症、お弁当の腐敗防止にも効果があり、これからの季節の頼もしい味方です。

わかやま紀州館
住所:千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館地下1F
電話:03-6269-9434(物産) 03-3216-8000(観光)
営業:10:00~19:00 (日曜・祝日は10:00~18:00)

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