“無農薬”や”遺伝子組み換えでない”など、「食品の選択」に関する話題はつきないもの。環境問題や健康にとても気を使うドイツ人の大好きなテーマのひとつでもあります。そのなかで最近良く耳にするワードが「Biltong(ビルトン)」。
添加物不使用で作る、肉を乾燥させたスナック
一見するとまるでビーフジャーキーのようなビルトン。その名前の由来はオランダ語で、「BIL(牛の臀部)」と「TONG(細長く切ったもの)」。アメリカ合衆国農務省(USDA)からの認可を受けてアメリカ国内ではじめてビルトンづくりを開始した「Biltong USA」によると、製造工程についても、味も、栄養価にも大きな違いがあるといいます。
従来のビーフジャーキーは塩気が多く、また保存料や香辛料・さらに着色料などを使用していました。それに比べビルトンは、物が不足していた400年以上前から南アフリカやナミビアで作られていた方法で、自然のものだけを使用しているのが特徴。まず肉を細長く割いたものに酢をかけ、6~8時間冷所で寝かせます。これにブラウンシュガーやコショウ、コリアンダーなどを混ぜた香辛料を良くすりこみ、2週間ほど空気乾燥させます。水分が抜けて小さくなった頃あい(重量が40~50%ほど減ったら)を見て、パッキングして完成。半生のビルトンの消費期限は約3週間、一方、ドライビルトンは約2年間持つようです。
スポーツ栄養食、ダイエット中にぴったり
2010年からEUへ輸入されるようになったビルトン。従来のビーフジャーキーに比べて、プロテインは同じぐらい摂取できるにもかかわらず、極端にカロリーが抑えられています。また、余計な化学調味料を使用していないので肉本来のうまみが引き出され、甘味があり、格別おいしいところがアスリートやダイエット中の人にも人気のヒミツかもしれません。
ヘルシーなパーティー・スナックやおつまみにも良さそう。
軟らかさ・大きさ・味もセルフメイドの自家製のビルトンを作る人が急増中。
美味しそうな色! 和牛のビルトンは肉好きのグルメな女性もきっと納得。
日本ではまだあまり見かけないかもしれないので、時間のあるときに手作りに挑戦してみては?
image via shutterstock