よくもらう野菜のひとつに、青いパパイヤがあります。沖縄では田舎でも都会でもどこでもパパイヤの木があって、大きな台風が来ない年が続くと、それはそれは見事な鈴なりに実っています。露骨にたわわな姿は遠くからでもすぐに「パパイヤ」とわかり、放射線状に広がった葉の下に、まるで幹にしがみついているかのようにぎっしりと成っている。いかにも生命力が半端ない感じです。

実のひとつひとつはずっしりと重く、となるとどんだけ幹が丈夫なのか。内地に住んでいるときは、青いパパイヤはごちそうでした。ごくたまに近所のスーパーに並ぶのですが、ひとつ1000円くらいした覚えがあります。「えいやっ!」と、ソムタム食べたさに、決心してかごに入れること数回……。

今は、「またパパイヤー」と子どもたちから突っ込まれるといった登場頻度なので、すっかりソムタムは定番おかずに君臨しました。そして子どもたちはソムタムが好き。それに11歳の息子に限っては、「男子でソムタム作れるってすごいかっこいいと思うから作り方教えてあげるよ」と、半ば強制的にわたしの(男性の)好みを押し付けております。はい。でも実際にそう思うんだから仕方なく、そんなわたしの元に生まれてしまったのが運の尽きと言いますか・・・。はい。

作り方は簡単です。簡単だけどわが家のソムタムの場合、前もって作って置く調味料がいくつかあるので、そこが「おふくろの味」となっています。

青いパパイヤは皮をむき、中の種をスプーンで取り出します。熟していなければ、まるでプラスチック素材かってくらい人工的な質感の白い種がびっしりと詰まっているし、反対に熟していれば墨色の艶やかな黒い種がグラデーションに詰まっていて、どちらもすごくきれいで毎回見惚れます。パパイヤを粗く千切りにし、水にさらしておきます。すり鉢に小さめのにんにく、パクチーの根のナンプラー漬け(!)、生の唐辛子のレモン漬け(!)、生のインゲン数本、干しエビ、ピーナッツ、トマトを入れ、全体にざっくり潰します。→(!)は、作り置きしている調味料ですここにココナッツシュガー(なければきび糖)、ナンプラー、唐辛子漬けのレモン汁を加え、よく混ぜます。そして最後にパパイヤと和えれば出来上がり。本国タイに習って、もち米と食べてもおいしい。

辛さはお好みですが、やっぱり辛いほうが気分が盛り上がるというもの。これからどんどん暑くなる一方の沖縄ではとくに、辛さが美味さとなってきます。それにLCCのピーチが那覇↔︎バンコク就航(の予定)とあって、ますますタイに行きたい気分が盛り上がっている昨今であります。

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