ある年の3月の終わりに、フランスを旅したとき。スーパーやお菓子やさんの一番目立つ台にぎっしり、卵やヒヨコやウサギのお菓子が並べられていました。子どもの頃、教会学校へ通っていたことのある私は、それらがイエス・キリストの復活祭のお菓子であると気がつきましたが、クリスマスやハロウィンに比べると、復活祭にまつわる文化はまだまだ日本で馴染みがありません。
フランス語ではパック、英語ではイースターと表す復活祭の日付は、春分の日(3月21日頃)の後の、最初の満月の次の日曜日で、その年によって祝日が異なるのも特徴的。そうしておみやげ用に求めた復活祭のチョコレートやキャンディーを、帰国してから友人たちに配ると、その愛らしさに春色の感嘆があがりました。

先日、おみやげやお礼など贈り物を準備する必要があった際、春らしいお菓子をと考えて選んだのが羊の焼き菓子。鎌倉の「Romi-Unie Confiture」で、「4/4 agneau(カトルカール・アニョー)」を注文しました。
カトルカールとは”1/4が4つ”という意味のフランス語で、小麦粉、バター、砂糖、卵、4つの材料を同量に使った焼き菓子のこと。日本ではパウンドケーキとしてお馴染みのお菓子です。アニョーとは子羊を指し、キリストのシンボルとされています。フランスのアルザス地方では、復活祭の時期になるとどのお菓子屋さんにも、「アニョー・パスカル」という名前で子羊型のお菓子が並びます。お店ごとに形や味が違っているというから、いつかこの時期、アルザス地方を旅して色々食べ比べしてみたいものです。

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小麦粉、卵、バター、グラニュー糖、こだわり選んだ4つの材料で作る
フランスの伝統的なお菓子。羊の型で焼き上げています。

そうそう、子羊の焼き菓子をお届けした方からお便りが届いたのですが、「愛らしくて、なかなか食べられません」と記されてありました。私も同じ。ガラスの台に飾ったまま数日を見送り、きらきら春の日差しが差し込む天気のよい日のおやつの時間に、思いきっていただきました。愛らしいおやつを味わうときは、えいっと手をのばす意気込みが必要ですね

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