ドイツで最も長い歴史を持つ独立したデザイン団体「iF(International Forum Design)」は、毎年優れた工業製品デザインを選出し「iFデザインアワード」を授与しています。

2017年、日本のあるプロダクトが見事受賞。華やかな栄光を手にしたその商品は、一見シンプルで、どこにでもありそうなマグカップでした。

平凡な顔にかくされたスゴ技

そのマグカップの名は「Drieasy(ドライジー)300ml mug」。デザインオフィス「Ugadell Design(ウガデルデザイン)」が手掛けたプロダクトです。その性能を詳しく見てみました。

<Drieasyの8つの特徴>
安心安全
カドミウムや鉛といった有害物質は使用せず、衛生基準法を大きくクリア。
乾きやすい
裏底に水が残りにくい排水設計。
汚れにくい
内底の中心にむけてわずかな傾斜をつけることにより、隅に汚れが付きにくい。
溶かしやすい
内底の周りを丸くすることで、スプーンとマグの隙間が小さくなり、インスタント系の飲み物が最後まで溶かしやすい。
洗いやすい
内底の周りに丸みがあるため、スポンジがあたりやすい。
重ねられる
高台が内側にあるので重ねて収納できる。
衛生的
食べカスが混ざっているような水も裏底にたまることなくすべて排水。
程よい持ち心地
取ってに2つの山を設けることにより、2点で支えられるので安定して持ちやすい。水に浮かぶバランスの良さ。

まさに「かゆいところに手が届いた」ような性能の数々。とくに、使いたいときに水切りカゴから取ったマグが乾いている、というのは気持ち良さそう。

日本が誇る職人技が集結

そして、うれしいのが日本産にこだわって作られたということ。その美しくシンプルで小技の効いたデザインは、ジュエリー生産国内トップの甲府で、ジュエリー業界出身のデザイナーが担当。特殊な石膏型は美濃地域の専門業者が。成型は1300年の歴史がある日本六古窯の瀬戸の職人が。焼成、総合管理は陶磁器国内トップシェアを誇る美濃焼で、なかでも技術に定評がある多治見市の専門業者が担当して作られました。

お恥ずかしながら、今うちにはマグカップがひとつもありません。買おうと思いつつ、これといったものが見つからないまま早5年くらい。ちょっと小さいティーカップや、持ち手のないタンブラー型のものを代用してコーヒーを飲んだり、スープを溶かしたりしていました。

毎日使うものだからこそ、飽きずに長く使えるシンプルなデザインを選びたい。そこにさりげなく凄い性能があって、日本の熱く繊細な職人技が感じられ、手の届く価格なら言うことありません。ようやく、納得できるマグカップに出会えたような気がします。

Ugadell Design