なんでもない日のささやかな楽しみは、近所の八百屋をのぞくこと。季節の野菜や果物が埋め尽くす店の中から前から、威勢のいい花火のようにあがるお兄さんの声。
あれとこれと……と八百屋までの道々反芻してきたものに、いつのまにかお兄さんが声高に繰り返す『お買い得品』まで加わって、はじめからそうするつもりでいたように、ひょいっとカゴの中へ。おかげでその日も翌日も、野菜や果物いっぱいの食卓。さらにはおやつの時間まで、朝食のような風景に。
「さあさあ、果物まつりだよ～」。週末になると、あちらこちらで小さな夏祭りが催される時期だからか、八百屋のお兄さんからあがった言葉に、思わずクスリ。いいな、それ。今日のおやつ、果物まつりにしようじゃないか。
特別なものではなく、どちらかといえば『お買い得』寄りの果物を選んで、帰ってさっそくお祭りの準備。
なんとなく、もうひと遊びしたくなって、三重県四日市市の萬古焼きブランド「4th-market」の器だけを食器棚から取り出し、簡単に果物をのせて、おやつの時間。
花も花器からマグカップへと移し、食卓丸ごと4th-market一色。手間もかからずそれでいて楽しい。残りものは細かく刻んで冷凍庫に入れ凍らせて、別の日にまた違った食べ方を。
さてその翌日は、冷蔵庫の野菜室を整頓するため、ズッキーニとトマトを使って、おやつの準備。食べ終えて夕方を迎える頃、またいつもの八百屋まで、散歩がてら買いものに出かける、穏やかな夏の日です。
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