30代ってとにかく忙しい。毎日、目の前のことに精一杯だけど、ふと息切れして立ち止まった時には「こんなことで、これからの人生大丈夫かな」と悩んだりもします。そして、同時に思うのが「人生の先輩たちは、30代をどう過ごしてきたんだろう」ということ。
そこで、マイロハスの人気連載「ごはん日記」の筆者・こぐれひでこさんに話を伺うことに。16年にわたって毎日更新し続けている「ごはん日記」は人柄が感じられる、その飾らなさが魅力です。そんなこぐれさんだから、日々の暮らしにも気負いすぎないためのヒントがあるのではと、横須賀市・秋谷のお宅を訪ねました。
女性の30代は、悩んでこそ?
ーこぐれさんも、30代は女社長・ファッションデザイナーとして忙しい日々を送っていたのではと思います。ご自身の30代はどのようなものでしたか?
私も小さいながら洋服の会社をやっていましたし、社員も十数名いたので、そりゃいろいろ大変でした。悩みなんて、いっぱい。私がデザインを受け持っていたけれど、社長でもあったので、パタンナーや縫製工場、いろんなところとやり取りをしなくちゃいけない。デザインに取り掛かるのはいつも夜おそく。どうにもならなくなって、38歳で「ここはひとつ辞めるかな」と、約3ヶ月の準備期間を持って会社を辞めました。最後は各所に挨拶回りして、社員とグアム旅行に行って、空港で解散。実に計画的に(笑)。
ーそこから、イラストレーターへの転身は自然な流れだった?
仕事を辞めたばかりの頃は、歯医者の予約が唯一の予定でした。それで半年くらい過ぎた頃かなあ。ある日、TORU君(小暮徹:写真家、こぐれさんの夫)との打ち合わせにきた雑誌の編集者に「連載をやらない?」って言われたんです。当時の家にはヨーロッパを旅した時に書いたイラストを壁一面に飾っていて、打ち合わせスペースの横がキッチンなので、私がそこで料理したりしていたんですよ。その2つが合体した感じで、料理にまつわるイラストコラムがスタートしました。
ーちょっと方向が変わった、という感じ?
私、大学の学部は教育学部ですが、専攻が美術なんですよ。なので、絵に移るっていうのは不自然なことではなかった。「元に戻った」って感じですね。15年くらい洋服をやっていたんけれど、今となっては洋服が寄り道だったかな。
ー目まぐるしい30代。その忙しさをストレスに感じることはありませんでしたか?
うーん。最近「ストレスフリー」なんて言葉をよく聞きますけど、ストレスもいいものだと思いますよ。それこそ、ストレスレスなだけの人生なんてつまらない! ストレスを感じながら何かをやって、そこからストーンと抜けた時の心地良さって、私もですが、誰でも体験あるんじゃないでしょうか。それが、生きている実感とも言えるんじゃないのかな。そう思えると、がんばろうという気になりますね。
ーなるほど。でも緊張状態がずっと続くと疲れませんか? こぐれさんが実践しているリラックス方法は?
あの頃は、何かっていうとお風呂に入っていました。少しは鬱憤を晴らしていたのかもしれないけれど、お酒を飲むことがストレスを解消する方法だったかっていうと、それほどでもなかったような気もするし、飲みすぎて、二日酔いで却ってストレス......なんてこともあったな(笑)。
ーここ秋谷での暮らしはいかがですか?
引っ越して来てからは、食料の買い出しが楽しいの。家から鎌倉とは反対方面に農協がやっている大きな直売所があったり、野菜も売っている養鶏所があったり、もっと遠いところにもう一軒、野菜の直売所も。この辺の農家さんは、レストランが多くて東京も近いからか面白い西洋野菜をたくさん作っているんです。
あと魚屋さん。漁港にある魚屋さんなんて、地元の魚しか置いてない。越してくる前に、シラスの専門漁でお店をやっている人と仲良くなったんだけど、網にかかった魚とかふらっと持って来てくれるの。鯛にイサキ、一昨日は、大きなイシモチ。
ー「ごはん日記」でよく魚の姿煮を召し上がっているから、ハレの日なのかなあと思っていました。
しょっちゅうハレの日よ(笑)。「今日は煮付けだな」って、そういうのも楽しい。あと、この間初めて南に下ってみたんだけど、家の裏側の辺りから半島の先端まで巡ってみたら景色がすごくきれいだった!
こぐれさん、マイおさじづくりに挑戦
ー秋谷ライフを満喫されているこぐれさん。今回、家でおさじづくりが楽しめるフェリシモの「手づくりおさじプログラム」にチャレンジしていただいたのですが、作ってみていかがですか?
まず、木を削るのって意外と力がいるなって思いました(笑)。でもこうやって削っているうちに、いつの間にか無心になっているのがいいですね。音楽やラジオを聞きながらやるのが、ちょうどいい。私は、さじ型に木を削るところまで、2時間くらいでいけました。最初は「どこから削ろう......」と途方に暮れたけれど、削っていくうちにコツがわかってきた感じかな。
ーなかなか、自分が使うおさじを自分でつくる機会ってないですよね。素材や形が月によって違うから、飽きずに楽しめそうです。
ね、愛着がわいて長く使えそうな気がする。正目を削る時に滑らせるように削ると、かんな屑みたいにくるくるくるって丸まって、それがね、気持ちいいの。さっき「ストレスも人生には必要」って言ったばかりだけど(笑)、これは良いストレス解消になりそう。
ーうまく削れた時は、なんだかうれしくなりますね。
そうそうそうそう。でね、ナイフが深く入り込んじゃったときはちょっとイラッとする(笑)。
ー人生にはストレスも必要ということで(笑)。今回おさじを作っていただいたのは「ミニツク」というゆる活プログラムのひとつ。「ミニツク」は「無理なくゆるく続ける」がコンセプトなんですが、これって「ごはん日記」にも通じるものがありそう。
「ごはん日記」って誰かに強要されている訳じゃなく、まるで息をするように日々食べているものを記録するだけ。そういう意味では、似ているかもしれませんね。もともと以前住んでいた家が完成したときに、同じ日に何かを始めたいと思ったのが「ごはん日記」のきっかけ。それには、毎日かならずやることがいいなと、ごはんの日記にしようと決めたんです。2000年2月にカフェグローブで始まって、もう17年目に入りました。その2年前に個人的に始めていたので、19年目になりますね。
ー人間でいうと、もうすぐ成人しちゃいます。
TORU君に、「いつまでやるんだろう、こんなこと」って言ったら、「死ぬまでだよ」って(笑)。
ーこぐれさんの「ゆる活」、まだまだ続きそうですね!
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こぐれさんの話を伺って感じたのは、イラストを描いたり、おいしいごはんをつくったり、どんなに忙しくても暮らしに「あそび」を残しておくことが大切だってこと。こぐれさんのように、その「あそび」から新たな道が拓けたりだってするかもしれません。
フェリシモのゆる活プログラム「ミニツク」には、こぐれさんに挑戦していただいた「手づくりおさじづくり」のほかに「ゆるいヨガ」や「プチ写仏」など、ユニークなプログラムがたくさん。お気に入りを見つけて、暮らしのなかに「あそび」を探してみるのも良さそうです。
「ゆる活」について、もっと知りたくなった方はこちらのminitsuku magazineを参考に。今回の手づくりおさじづくりの全工程や、そのほかのゆる活情報もいっぱい載っていますよ。
写真/小禄慎一郎 取材・文/岸田祐佳
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