つかの間の名護市民、昭和の風情残るアパートに暮らし始めてまもなく1か月が経とうとしている。これから今帰仁村(なきじんそん)にある木工所跡地を改装するため、交通の便利がいい名護に中継地を設けたのだ。

とはいえ先月までジャングル暮らしだったのが突然の都会。便利も便利、便利すぎてバチが当たるんじゃないかってくらいでいささかバツが悪くもあり。

まず、家に車を横付けできることはたいへん便利だ。これまでは車から降りたら山道を100メートルほど歩かなければならなかった。

それも夜ともなると、懐中電灯片手に家族列を乱さず速やかに歩くがごとく。途中にハブがいるなんてことザラ。ときに4ハブなんてこともあるくらい、ハブとは共存していた(つもり)。

その道の最後の関門は川横断。大雨後は水が膝超え、なんてこともあって、まいにちが探検家気分だった。しかし人間慣れるもので、「そんなもんだ」と思えばぜんぜんへっちゃら。毎回の川横断も「禊」だとすら感じていた。(でも、毎日禊って、どうなんでしょうね)

だからだろうか、車の横付けが「便利」という言葉では間に合わないくらい、「え、もう家についちゃっていいの?」と、頬っぺたをつねりたくなるほど。

でも、やはり都会の荒波なのか、名護はゴミ袋がべらぼうに高い。45リットル袋10枚で500円くらいする。ということは、一枚50円!

昨今、スーパーのレジ袋が3円なのに対して50円とは随分強気だ。「ゴミを減らしなさい」と勧告しているのも当然といった価格。ならば減らそうじゃないか。そう、まずは生ゴミから。

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ホームセンターで売っている大型のポリゴミ箱(蓋付き)に生ゴミを貯め、発酵させて堆肥化させる作戦。気になる匂いは公園で集めた落ち葉でだいぶ緩和されたけど、生ゴミの水分が多すぎて虫が大量発生してしまった。

その虫たちが蓋の隙間から這い出し、今やベランダにコロニーを作ろうとしている。それはひじょうに困るので、蓋を外し、代わりにアクリル板をのせて完全に封じ込めた。

この虫も、鶏がいたら喜んで食べてくれるんだけどなぁ。アパートでは鶏はたぶん飼えないよなぁ。なので、有能な分解隊である虫は、すっかりゴミを分解したら、次は自らが分解する道をたどるはず。今はその経過を見守っている最中。

それからすでにサナギになっていた虫を瓶に集めて、ほんとうに「蠅」になるのかも合わせて観察している。子どもたちから、「お母さん、この瓶のなか、何?」と疑いのかかったような目で見られても気にしない。

堆肥化するのは、2か月くらいかかるだろうか。たのしみだなぁ。

そして、せっかくタイル張りのユニットバスなので、水洗トイレも夏はタイ方式にしようと思う。沐浴で使った水をバケツに貯めておき、その水で流せばだいぶ水の節約になる。何より、「東南アジアの国々を思い出す」ことができるのがたまらない。トイレに行く度に、タイやヴェトナムに想いを馳せる……。どこまでわたしはおめでたいんだろうか……。

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まぁ、アーバンパーマカルチャーという言葉があるくらいだから、都会でも循環できることはたくさんあるはず。環境によってできることはそれぞれ違うんだな。

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