夜道を向こうから歩いてくる人の顔をスマートフォンが照らしている。一瞬「ドキッ」とする私を置いて、その人は光る画面を眺めたまま去っていきます。

(あぁ、おばけかと思った。)ちょっとした光にも反応してしまうのは「暗い」「黒い」が闇を想像させるからでしょうか。

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02_洋館の令息寝室でこちらを眺めていたキュートな4つの瞳@横浜

静物デッサンをするときに、白い円錐は影を足すことで浮かびあがってきたことを思い出します。

光があるから影があり、影があるから光があるように「白と黒」は対で存在しているんだな、と写真を撮り、見るなかで強く感じます。

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03_古跡の無線電信所、今は歴史映画の撮影地。透けた網戸から緑が覗く@台湾高雄

明るさは光だけでは伝わらず、黒だけで闇は表現できない。

それは、まるで禅問答か哲学を読み解くよう。

自分から相手に「こうやって受けとって欲しい! 」と真正面から言葉を発するだけではなく、真逆のキーワードでアプローチすることで伝わるときがあります。受け手の想像力を働かせるから、より印象に残りやすいのかもしれません。

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04_人で溢れるイメージがある錦市場、早朝は仕事に向かう人が小走りで通り抜ける@京都

上手に「黒」をコントロールして光多き生活を送りたいですね。

(写真・文/甲田智恵)