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オーガニック最先端・綾町の自然と調和した暮らしかた

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米田ロコ

オーガニック最先端・綾町の自然と調和した暮らしかた

大吊橋から見える景色は、自然豊かで美しい。

宮崎県に住んでいる友人から「宮崎にはオーガニック最先端の町がある」という話を聞きました。"オーガニック最先端"というキーワードが気になり、実際にその町を訪れてみることに。

ユネスコ エコパークにも登録されている、自然豊かな綾町

噂を聞いて足を運んだのは、宮崎県の綾町(あやちょう)という人口7300人ほどの小さな町。ユネスコ エコパークにも登録されています。

まず、私たちを出迎えてくれたのは、町の大切な遺産「綾の照葉樹林」。照葉樹林は冬でも落葉しない広葉樹。綾町の照葉樹林は、日本に残る照葉樹自然林では最も面積が広く、なかには失われつつある固有種も残っています。

その照葉樹林にかかる「綾の照葉大吊橋」は観光名所としても知られています。

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「綾の照葉大吊橋」高さは142m。橋を歩いてみると、気分はまるで空中散歩!

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大吊橋から見える景色は、自然豊かで美しい。

大吊橋を渡った先には自然遊歩道があり、この照葉樹林を散策することができます。せっかくなので散策してみることに。

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照葉樹林を形成する岩肌。見ごたえがあります。
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山の斜面に沿った自然遊歩道は、なるべく自然を壊さないように配慮がなされている様子です。
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照葉樹林にかかるもうひとつの橋「かじか橋」から澄んだ川をじっくりと眺めて、小休憩。

木々の香り、鳥の声、水の流れる音。五感を意識して歩く緑のなかはとても気持ちが良く、軽い運動にもなります。

27年前から始まる、自然生態系農業の取り組み

さて、私がもっとも気になっていたオーガニック最先端というキーワードですが、町を散策してみて、友人の言わんとすることがわかってきました。

町の規模のわりに、地産地消・吟味した食材を使用した食事を提供するカフェなどが多いことに気がつきます。そして、綾町の台所とも言える産地直売所「綾手づくりほんものセンター」。ここに答えがありました。

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「綾手づくりほんものセンター」

綾手づくりほんものセンターには、地元の人々がつくった農産物や加工品が並びます。

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綾町以外の遠いところから訪れる人も多く、お昼すぎにはすでに店内は品薄状態になることも。

そんなお店のなかで、ほかの産地直売所とは違う、珍しい光景が目に飛び込んできました。それが、農産物の値札シールに記載されている金・銀・銅の印です。

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これは、綾町自然生態系農業認定制度(※1)という町の条例のもと、農地検査や生産管理検査を行い、農産物の区分を示した目印。

たとえば、金のシールが貼られた農産物は、土地の消毒・除草剤を3年以上使用せず、化学肥料や化学合成農薬を使わずにつくられていることを表しています。

この独自の基準をいつから設けているのか、店長の梶山さんに尋ねたところ、この農作物を区分する取り組みは今年で28年目をむかえる制度なのだそう!

じつは綾町は、自然の摂理を尊重した農業を推進する目的のため、昭和63年に「自然生態系農業の推進に関する条例」を全国で初めて制定。その一環として、ほんものセンターで販売される農産物のランクづけも行ってきたのだそうです。

いまでこそ、生産性を重視した農薬や化学肥料を使用する農業に対して疑問を抱く人が増えてきましたが、綾町は28年前からすでに、自然との調和を目指した自然生態系農業を推進し、先進的な取り組みをしていたのです。

当時主流だった農業形態や世相のことを思うと、未来を見据えた綾町の意識の高さには驚きを隠せませんでした。

夜逃げの町と言われる苦難の時代を乗り越えて

意外なことに、綾町には昔「夜逃げの町」と呼ばれるほどに町の過疎化が進んだ苦難の時代があったのだそうです。そんな時代を乗り越えて、独自に「自然生態系農業」の仕組みを発展させてきたこの町には現在、自然と調和した暮らし方に惹かれて移住する若い家族も増えているそうです。

友人の言葉をきっかけに訪れた、オーガニック最先端の町、綾町。この旅を通して見えてきたのは、人と自然が共存する理想の姿。そして、こうした暮らしに価値を見出し、先進的に取り組む人々の姿でした。

※1...「自然生態系農業」とは、自然の摂理を尊重し、自然生態系を有効に生かした農業。「有機JAS」「有機農業推進法に基づく有機農業」「環境保全 型農業」「自然農法(無農薬・無除草など)」「特別栽培(農薬等の使用が慣行栽培より5割以上削減)」などの作物がそれに含まれる。

撮影/米田将史

取材協力/綾町役場綾手づくりほんものセンター

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