左:アシックスジャパン 江島れい子さん、右:MYLOHAS 丸山
子どもが抱っこをせがむようになったり、歩くのを嫌がったり......。それは、靴が足にあっていないサインかもしれない、というのをご存知でしたか?
「小さなお子さんは、なかなか自分で靴がきついとは言えません。なので、パパやママがお子さんの様子を見て、気づいてあげてほしいですね」と教えてくれたのは、アシックスのキッズシューズ「スクスク」の企画を担当している江島れい子さん。
それでは、実際に靴を選ぶとき、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。4歳と2歳の息子を持つMYLOHAS編集長、丸山が江島さんに伺いました。
しっかりとした土踏まずをつくる

丸山:そもそも、子どもと大人の足の違いはなんですか?
江島さん:大きな違いは骨です。赤ちゃんの足の骨はやわらかく、3〜4歳で骨がかたくなりはじめ、7〜8歳で大人の足と同じように成長します。また、元気に歩いたり、走ったりするのに大切な土踏まずも、3歳くらいまでは未形成なんです。
丸山:土踏まずはどのようにつくられるのですか?
江島さん:はだしになって足の指をしっかり動かし、いっぱい歩いたり走ったりすることで、だんだんと足裏にアーチができてくるんですよ。
丸山:小さいときは、できるだけはだしで過ごしたほうがいいんですね。
江島さん:そうはいっても、はだしで外遊びというわけにはいきません。そこで大切なのが、靴選び。足指をきちんと使いながら、足裏を使って正しく歩ける靴が、しっかりとした土踏まずをつくるためにも、重要なんです。
はだしのように足を動かせる、子どもにやさしい靴
丸山:「スクスク」のコンセプトも、はだし化宣言ですね。
江島さん:そうなんです。子どもの足の成長をサポートするために、はだしと同じような歩き方ができる靴を目指して、日本人の子どもたち5万人以上の足のデータをもとにつくっています。
丸山:「スクスク」ならではの工夫を教えてください。
江島さん:特徴のひとつが、足指をきちんと動かせるフラットな中敷きです。ただ、小さく丸い子どものかかとは不安定なので、かかと部分を立体的にして支えています。
よちよち歩きのときは、ミドルカットでサポート
丸山:とくに初めての靴は、何を買えばいいのか悩みますよね。
江島さん:よちよち歩きのときは不安定なので、足首を支えられるミドルカット(足首の高さまであるシューズ)がおすすめです。素材も、コットンやメッシュなどのやわらかいもののほうが動きやすいですよ。
丸山:2足目もミドルカットのほうがいいですか?
江島さん:お子さんの成長に合わせてあげてください。少ししっかり歩けるようになったら、ミドルカットでもクッション性のあるものを、とことこ走れるようになったら、動きやすいローカットがおすすめです。
靴を選ぶときには、つま先に5ミリ程度の余裕を
丸山:子どもの足はすぐに成長するので、ついつい大きめの靴を買ってしまうのですが......。
江島さん:靴が大きいと、脱げないように足指のほうに力が入ってしまうので、正しい体重移動ができません。かといって、足にぴったりすぎると、立つ、歩く、走るなどの動きがスムーズに行えないので、つま先に5ミリ程度の余裕があるのがちょうどいい状態。購入時はベルトで締められるタイプの1サイズ大きめを。つま先には5〜9ミリ程度の余裕があるものを選んでください。
履くときは「かかとトントン!」が合言葉
丸山:履かせるときのポイントはありますか?
江島さん:靴のかかと部分と足のかかとを合わせてから、ベルトをとめましょう。甲の部分をしっかりとめると足がずれないので、できれば2本ベルトのほうがおすすめです。子どもが自分で履くときは、「かかとトントンしようね」と言ってあげるといいですよ。
買い替えのタイミングは、中敷きをチェック
丸山:靴をいつ買い替えるかも、迷ってしまいます。
江島さん:3歳までは半年で1センチ、それ以降は半年で5ミリ大きくなるといわれているので、3歳までは3カ月ごと、3歳以降は半年ごとの買い替えを目安にしてください。
丸山:なかなか家では足を上手く測れないのですが......。
江島さん:ホームページからスケールをダウンロードできるので、ぜひ利用してみてください。中敷きについた足指のあとで確認するのもいいですよ。
丸山:帰ったらさっそく、息子たちの靴と足をチェックしようと思います!
江島さん:お子さんの足はまだ成長段階ですから、ぜひ今からでも靴を見直してあげてくださいね。
「外でも家と同じように歩けているか、見てあげることも大切です」と江島さん。大人になっても健康な足を手にいれるためにも、子どもの靴選びを見直してみませんか。
「あるある」 キッズシューズ選びのお悩みあれこれ
お気に入りのキャラクターがついたシューズを履きたいといって、きかないときは?
「お出かけのときだけにするなどのルールを決め、普段はできるだけ足にあった靴を。キラキラが好きなら、シールなどでデコるのもおすすめです」
あまり履いていないおさがりを、下の子に履かせてもいい?
「子どもによって履きグセがあるので、おさがりはあまりおすすめできません。外から見て底のクッション材やアッパーがいたんでいるものはやめましょう。大丈夫な場合でも、中敷は変えてあげてくださいね」
足にいい運動ってありますか?
「鬼ごっこやなわとびなど、外遊びをたくさんしましょう。つま先立ちをするだけでも、足裏の筋肉が鍛えられて、外反母趾などの足トラブルの予防につながります」
忙しくて、なかなか子どもの靴を洗ってあげられません......。
「靴をまるごと洗うのがたいへんなときは、中敷きをこまめに洗うだけでも清潔に保てます。替えの中敷きを1枚持っておくのもいいでしょう」
おしゃれだけど歩きにくそうな靴と機能的で歩きやすそうな靴、どのように使い分けたらいいのでしょうか?
「歩く前のおしゃれなファーストシューズは、おしゃれを楽しむのもいいと思います。でも、実際に歩き始めたら足のことを考えて、機能的できちんとした靴を選ぶ必要があります」


写真/寺中一桂
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