「託児所クーポン券」政策のウラには、じつは「移民国家」ドイツならではの独特の事情もあるということを示唆した前回。今回はその内情についてお話します。
ドイツ語が話せない。悪循環を断ち切るために
日本と違ってドイツは移民の国。わたしの暮らすハンブルク市では、人口の約3割が移民だと言われています。そこでいつも問題になるのが、移民の家庭に生まれた子どものドイツ語能力。両親ともに移民でドイツ語がままならない場合、特にこの問題は深刻です。
たとえばトルコ系。ドイツでは最も多い移民で、無数のトルコ人コミュニティが存在します。そのコミュニティが十分に機能しているがゆえに、コミュニティ内で助け合って子育てできてしまう。だからKitaには預けない、という問題。
あるいは、トルコ系に限らず、移民の低所得者層が保育料を惜しんで子どもをKitaに預けない、または預けられない、という現実もあります。
本来、Kitaに通った方が良さそうな環境にある子どもが、逆にKitaに通わなくなるという矛盾です。
いま社会問題にもなっている
もちろんすべての移民の子がそうなるわけでは決してないけれど、下記のような流れはいまのドイツ社会において決して無視できないレベルなのです。
社会問題になっている移民の教育
ドイツ生まれ、ドイツ国籍保有、ドイツ育ちなのに、就学時点でドイツ語がまともに喋れない↓学校の授業についていけない↓おちこぼれる↓同じような負の財産を抱える仲間を見つけ、反社会的生き方(犯罪など)に身を染めていく
そんなドイツ社会にとっての不利益を断ち切るためにも、まずはちゃんとKitaに通ってもらうことから、と、特に(世帯収入の少ない)移民の子どもたちを考慮して、「Kita-Gutschein」制度が実施されたということも、忘れてはならないポイントです。
移民の子が将来、ドイツで活躍できる人材となるために、まずは幼い頃からドイツ社会に親しんでいることが必要。それはつまり、ドイツのKitaに通い、日々ドイツ語を聞いて「ドイツ語が母国語」というベースをきちんと築き上げることからはじまる。そんな長期的で社会投資的視点がそこにはあるのです。
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