ドイツで主流のベビーカーは「大きくて、重くて、簡単には畳めない!」のが当たり前。日本で人気のタイプとはまるで違う、ということをお話しした前回。でも、なんでそんな違いが? 今回はそのあたりを少し。

石畳、雪、赤ちゃんの快適性で選ぶ

まずは、タイヤのサイズに注目。これ、ドイツは石畳の街が多いうえに、冬が長く雪の日も多いため。さらに、ドイツ人は森の中や自然公園のお散歩も大好き。つまり、タイヤには、どんなコンディションの道でも、難なく進める安定感がありものを選ぶことが重要なのです。

そして、フレームはがっしりと頑丈で重厚。ドイツのプロダクトは質実剛健といわれることが多いですが、ベビーカーにもそれがしっかりと表れています。またそこには、親側の利便性よりも、赤ちゃん側の快適性を重要視する傾向も強く感じます。

そんなわけで、もちろん本体はかなりの重さ! 15キロ~20キロ近くにのぼり、赤ちゃんの重さを入れると……。

というと、ベビーカーを押して歩くのも重くて大変そう、と思われるかもしれませんが、それがなんのその。普通の道なら、なんと指一本で押せてしまうほど、スムーズで軽い操縦感。そのあたりに、どんなものにも高い耐久性と使い心地のよさを同時に求めるドイツ人らしさが表れているようにも思います。

重くて畳めないけれど、お出かけに大活躍

それだけ重くて頑丈なベビーカー。もちろん、ママひとりで持ち上げることは到底できません。畳むのも難しく、畳んだところで赤ちゃんとベビーカーを同時に一人では運べないので、車や飛行機に積むとき以外は畳むこともまずありません。

しかし、ありがたいことに、ドイツは子連れにとても親切な国民性。エレベーターのない駅や階段などでは、誰かしらがすぐ寄ってきて「お手伝いしましょうか」と手を差し伸べてくれるため、とても助かります。

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また、電車や地下鉄、バスなどの公共交通機関はベビーカーがそのまま乗り込んでくることを前提に作られています。そして、使う人々の意識もそうであるため、ベビーカー連れであることに肩身の狭い思いをすることもなし。みんな場所を空けてくれたり、乗り降りしやすいようサッとよけてくれたり、とにかく、ベビーカーでのお出かけを億劫に感じることがあまりないのです。

もちろん、日本とは人口密度や通勤事情が違う(だから東京のように混雑することもない)、というのはあるけれど、なによりもまず、人の気持ちの温かさにありがたみを感じることが多い、ドイツの子育て環境です。

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