心が疲れているときや悩みがあるときに、「負けないで」や「頑張って」なんて言葉をもらっても、うわっつらだけに感じてしまうことが正直あります。

素直に受け取れるほど、心の余裕がないから。

そんな苦しい状態から救ってくれる、ある一冊の本を見つけました。

どん底人生から生まれた至極のメッセージ

その本とは、「めっせー字」で有名な文字職人、杉浦誠司さんの「負けないで 心がスッと軽くなる30のことば」(アスコム)。

「めっせー字」は、たとえば「夢」という単語を「ありがとう」という5文字を使って描くといった杉浦さん考案の創作文字で、メディアでも度々取り上げられています。

売るために考えた言葉ではなく、彼のどん底経験から絞り出されたメッセージが込められているため、心をつかまれ、感動し、助けられる人が多いと評判になっています。

同書にも、杉浦さんがいじめや倒産でお先真っ暗になったときに救われた「ことば」がたくさん収録されています。

自分の悩みはほかの誰かを救う宝になる

(「負けないで 心がスッと軽くなる30のことば」P36より引用)

杉浦さんが人生でもっとも苦しいときに、人生の師匠から「お前、幸せだな」と言われたそうです。さらに、「それ、全部メモしておいた方がいい。いいネタになるぞ」とも。

悩み苦しんだ経験があってこそ人は成長し、経験しておけば、また同じような試練があっても乗り越えられ、さらにその経験は、悩みを抱えた人々を救うことができる。

このことを師匠なりの解釈で表現した「ことば」で、事実、杉浦さんは今、自身のもがき苦しんだ経験を生かして、文字職人となり、多くの人の心を救っています。

ルールの中でこそ、自分らしさが見つかる

(「負けないで 心がスッと軽くなる30のことば」P46より引用)

文字職人のパイオニアとなった杉浦さんにとって、文字職人としてどう発想して文字を描く (書く) のかは自由。なんの制限もありません。

その制限の無さこそが不自由だったと杉浦さんは言っています。制限が無いということは、何をやっても個性にはならない。制限やルールというベースがあってはじめて、個性や自分らしさが見えてくる。そのことに気づいたそうです。

私も、小さい頃から名前や性格が人と違っていることから、いつも変わり者扱いされ、悩んできました。

ただそれも標準というベースがあるからこそであり、今ではその変わった名前と性格は覚えやすい個性に変わり、仕事でもプライベートでも、おおいに役立っています。

同書が大なり小なり苦労を経験してきた大人の心にも、美辞麗句にならず、スーッと浸み込んでくるのは、著者自身の辛い経験が反映されているだけでなく、「ことば」に含まれている意味への共感ポイントが多いからなのだと思います。

新年早々、この一冊におさめられた「ことば」たちに心を軽くしてもらったので、2016年は幸せな年になりそうな気がしています。

負けないで 心がスッと軽くなる30のことば(アスコム)]

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