季節が巡り、太陽が昇ったり沈んだり、嵐が来たり、ぱっと晴れたり。自然だけでなく、私たちを取り囲む環境は常に変化しています。それと同じように、体も常に変化しています。たとえば、夏には汗腺が開き、汗を出やすくして熱が体内にこもらないようにします。冬には、脂肪を蓄えて体を寒さから守ります。そうすることで、体は外側の世界との調和をとろうとしています

私たちが自分の体のためにできることは、その変化を助けること、体の機能をさまたげないことだと思うのです。外側の変化にあわせて体が変化するためには、やっぱり住んでいる土地の季節の物を食べることが最も効果的で最も簡単な方法です。たとえば、春先の苦い山菜類は冬の間に溜めたものをデトックスする助けをしてくれます。春先に食べるからこそ意味があると言えます。

でも、自分の住んでいる場所から遠く離れたところから取り寄せて、春が終わってから食べるのは体からしたら、遅い! もういらない! というところでしょうか。また、体ががんばっているときには、それをストップさせないことです。風邪を引くと、くしゃみや鼻水として、体の中の毒素を出そうとしますし、発熱は免疫細胞が戦っているしるしでもあります。それらの症状を薬で抑えてしまうと、体がせっかく機能しているのを妨げることになります。

外側との調和がとれると、内側の調和も取りやすくなるように思います。食べたい物と体にいいものが一致している、悲しいときにちゃんと泣ける、うれしいときにちゃんと笑える。そして、自分が大切にしている物をちゃんと知っている……。すると、自然と自分が望むことが、今自分がしていることになっていきます。言うならば、願いがいつも叶っている状態。体を調えることは、単に健康でいるというだけにとどまらないと思っています。

今日食べたもの:春菊と舞茸のポレンタ

とうもろこしの粉を練り上げた北イタリアの伝統料理、ポレンタ。もちもちとした食感がおいしくて消化もしやすいうえに、アレンジもいろいろできる便利な料理です。春菊舞茸を炒めた物をのせていただきました。

鍋にお湯を沸かし、とうもろこしの粉(粗挽きのもの)を入れます。とうもろこしの粉が水を吸ってどろどろになり、だんだんとマッシュポテトのような感じになってきます。粉によってできあがるまでの時間が違うようですので、気長にぐるぐる混ぜます。

ポレンタを加熱している間に、春菊舞茸を適当なサイズに切ります。フライパンにオリーブオイルを熱し、水分が飛ばないように野菜を炒めて塩こしょうで味をととのえます。

ポレンタを皿に盛り、炒めた春菊と舞茸をのせ、乾煎りしたくるみをちらしてできあがり。熱々のうちにどうぞ。

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