沖縄本島の北西部・国頭半島にある八重岳は毎年1月に開催される日本一早い桜祭りで有名な名勝地。この山頂近くにある「八重岳ベーカリー」は全粒粉の存在が世に広まる前の1977年から、病院食用として全粒粉・植物性のパン作りに取り組んでいるパイオニアとも言える存在です。

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健康な心とからだのために毎日食べられるよう、派手な美味しさよりも、地味な美味しさ(滋味)を目指して、素朴なパンや焼き菓子が作られています。

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「黒パン」5個入り360円(他にも2本入り360円もあり)。

店の看板メニューである「黒パン」は、八重岳に自生するシークヮーサーの果汁や沖縄県産黒糖が使われています。シークヮーサーの微かな酸味と黒糖の甘みのコンビネーションが粉の美味しさを引き立てています。トーストすると甘みが増し、香ばしい香りが食欲をそそります。

保存料や合成添加物が入っていないので日持ちはしませんが、冷凍保存したパンを蒸して食べるのもオススメです。

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あんの甘さも程よく、生地とマッチした「あんぱん」134円。菓子パンの中で1番人気、硬めのつぶあんはもちろん自家製です。
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日持ちするクッキー類もバリエーションが揃っています(左:ピーナッツ黒糖クッキー、右:キャロブクッキー、共に257円)。

パン以外の焼き菓子もおすすめです。安心して食べられる素材にこだわり黒糖の粒を散らして香ばしく焼き上げた「ピーナッツ黒糖クッキー」はお店の定番。伊勢神宮にも奉納される「粟国の塩」が、ピーナッツ本来の甘さを引き立てていて、塩気と控えめな甘さのバランスが絶妙です。

カフェインを含まず、植物繊維や鉄分の栄養素が豊富なキャロブをふんだんに使った「キャロブクッキー」も人気です。

沖縄本島ではペンギン食堂デリや浮島ガーデンなどの取り扱い店舗があるので、直接、お店に行けなくても購入でき、沖縄でしか手に入らない貴重なスイーツはオーガニックフード好きな人のお土産にするととても喜ばれます。

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また、店舗から八重岳山頂までの散歩道をのぼって15分ほどで行ける、東シナ海まで見渡せる360度の絶景ポイントは、店を訪れた人だけの特別な場所。青空に向かって立つ十字架があり、神々しいエネルギーが満ちています。

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「ぬちどぅ宝(命、健康こそ宝)」をモットーに「琉球や八重岳が与えてくれるたくさんの物に感謝し、山に棲む精霊様の力をお借りして、どこにもないここでしか味わえない最高のパンを作りたい」と真摯に自然と向き合う姿勢は、リピーターが多いのもうなづける優良ベーカリーです。

※ 表記価格は全て税込みです。

[八重岳ベーカリー]

住所:沖縄県 国頭郡本部町字伊豆味1254

電話: 0980-47-5642

営業時間:10:00 ~ 18:00

定休日:土曜日

(写真・文・スタイリング/ 石黒美穂子)

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