食べるものに事欠かない毎日を過ごしていると、ごはん粒ひとつ、1滴の飲みものへの感謝を忘れがちです。食材を粗末にしないよう心がける人がいる一方で、日本の現実では、国民1人あたり1日1~2個のおにぎりを捨てるに値する食品ゴミが出ています。

捨てられる食品の半分は家庭から出ている

まだ食べられるのに廃棄される食品と聞くと、賞味期限切れや売れ残りなどで捨てられる企業ゴミをイメージしがちですが、じつは日本における約500~800万tの食品ロスの約半分は、家庭から出る過剰調理・過剰購入・過剰除去(皮の剥き過ぎなど)によるものなのです。これをおにぎりに見立てて計算すると、1人あたり1日1~2個に相当します。

では私たちは、いったい何に気をつければ食品ロスの改善に努めることができるのでしょうか。

東日本大震災をきっかけに日本の食品ロスを考え、改善策を模索してきた、博士 (栄養学)の井出留美さんに、いま、私たちができることをお聞きしました。

食品ロスをなくすための3つのアクション

1.すぐ食べるものを買うときは、賞味期限が近いものを

買い物をするとき、すぐ食べるものは賞味期限が迫っているものから取りましょう。賞味期限が遠いものから取ると、賞味期限の接近したものが余り、店頭で廃棄せざるを得なくなります。

2.食べられる期限は五感を使って判断

賞味期限は、あくまでもおいしさの目安です。直射日光や高温高湿を避けるなど、保管をきちんとしていれば、賞味期限が過ぎても、品質がすぐに劣化することはありません。色やにおいといった食品の変化を自分の五感で判断し、すぐ捨てないようにしましょう。

3.備蓄は「ローリングストック法」

食品を備蓄するときは、ちょっとずつ使っては買い足し、また使っては買い足す「ローリングストック法 (サイクル保存)」を心がけましょう。備蓄食品は3年から5年持つものが多いため、買ったまま忘れて、気がつけば「あっ、賞味期限が切れてた!」となりがちです。雨天や台風などで食事の買い物に行けないときに備蓄食品 (レトルトやカップ麺など) を利用し、使った分を次の買い物で買い足せば、食品の無駄が少なくなります。

井出さんはひとりでも多くの人にこの現状と、私たちができることを伝えるために、全国各地で講演活動を続けているそう。有名人やセレブでなくても、誰でもできる取り組み。目に見えるところから始めることが、無理なく、長く続けられる秘訣だと思います。

井出留美

株式会社office3.11 代表取締役/博士(栄養学)。食品開発やハラール食、グループ企業幹部研修など、複数企業と「食」関連のアドバイザリー契約を結ぶほか、栄養学の専門家として書籍や新聞、雑誌、テレビ等のメディアで活躍中。

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