満腹感と満足感は似て非なるもの」では、食事は満足感を得るためにもっとも優れた方法であること、満足感を感じられないときは満腹になることでその隙間を満たそうとしてしまうことをお話ししました。

では、どうすれば満足のいく食事になるでしょうか。忙しい日々の中では、手間ひまかけた料理を、ゆったりと愛すべき人と食卓を囲む、というのが難しいこともあるとおもいます。食をとても大切なものとして扱うアーユルヴェーダでは、食べることについてのいろいろなおすすめがあります。これまでにもいくつかをご紹介しましたが、今回は味について。

アーユルヴェーダでは6つの味(甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味)のすべてを1度の食事で味わうことがいいとされています。それぞれの味にはそれぞれの効能があり、バランスよく味わうことで心身のバランスが整いやすくなるのです。

6つの味とは

<甘味>体が滋養され、喜びを感じる。体を肥えさせる。体を冷やす。
米、全粒小麦、牛乳、精製されていない砂糖、純粋な水など

<酸味>食欲や唾液の分泌を増す。心臓を強くする。口をさっぱりさせる。
レモンなどの柑橘類、酢、梅干し、ヨーグルト、チーズなど

<塩味>消化を促す。食べ物をおいしくする。動的なエネルギーを与える。
岩塩や海塩などの自然塩、漬け物、醤油など

<辛味>感覚を鋭くする。経絡の通りをよくする。分泌を促す。
生姜、大根、こしょう、わさび、マスタード、唐辛子など

<苦味>血液をきれいにし、体を丈夫にする。体に蓄積した余計なものを取り除く。
葉もの野菜、ゴーヤなど

<渋味>乾燥させる。収斂作用。味覚を鈍らせる。
豆類、緑茶、紅茶など

できるだけ6つの味を味わえるメニューを選んで、心身ともに満足感のある食事を心がけると暴飲暴食も減るかもしれません。なんだか難しそうな感じがするかもしれませんが、伝統的な和食を食べていれば簡単にクリアできるもの。ごはん(甘味)お味噌汁(塩味)おひたし(苦味)きんぴらごぼう(辛味)酢の物(酸味)を食べ、最後にお茶(渋味)を飲む日本の昔ながらの食事で十分なのです。

今日食べたもの:いんげんごはん

さっと茹でて適当な大きさに切り、塩を適宜まぶします。それを普通に炊きあがったごはんに混ぜるだけ。とっても簡単なのですが、いんげんの歯ごたえと香りが楽しくてすきです。この日は三分つきにしたお米に雑穀を混ぜたごはんにしました。いんげんは梅雨向きのたべもの。体の中の湿度を調整してくれます。鵠沼南瓜という地元産のかぼちゃのお味噌汁ときゅうりのぬか漬け、いただきもののコリンキーのサラダと一緒にいただきました。

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