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6月16日は「嘉祥の日」。「和菓子の日」とも言われ、この日に厄除けや招福を願って和菓子を食べる風習が古くからあります。

そこで今回は、ケーキ派の人も思わず和菓子派に変更しちゃうかもしれない、季節をたのしむ月ごとの和菓子をご紹介します。

・1月 花びら餅

菱葩餅(ひしはなびらもち)とも言われ、やわらかいお餅に白味噌の餡とごぼうが包まれています。うっすらと透けて見えるピンク色が愛らしい、花びらのような和菓子です。

20150602_wagashi_1.jpgphoto via flickr

・2月 うぐいす餅

青大豆をいった青いきな粉をまぶした餡入りのお餅です。軽くつままれた先が、まるで春の鳥、うぐいすのくちばしのようで、ほっこりかわいい和菓子です。

・3月 おはぎ

餡に包まれたもち米のつき方について「半殺しか皆殺しか」なんて言い方をされる、おはぎ。きな粉や胡麻、ずんだを用いたものもあり、1年を通して愛されています。

・4月 桜餅

関西出身の私が関東へ来てまず驚いたことといえば、桜餅が違うということ。関東でいう道明寺が関西の桜餅です。桜の葉は「食べる派」と「食べない派」にわかれますよね。

・5月 柏餅

子どもの日にいただくことの多い、カシワの葉に包まれた柏餅。こちらも関東と関西が分かれるところ。関西ではササなどの葉に巻かれた「ちまき」の方がメジャーです。

・6月 水ようかん

暖かくなってくると、水ようかんのように寒天でできた和菓子が食べやすくなります。家で作る場合、寒天がなければゼラチンに変えて作ることもできます。

・7月 土用餅

土用の日に食べるあんころ餅のことを土用餅といいます。うなぎだけではなかったのですね。お餅は「力」、小豆は「厄除け」ということで無病息災を願っていただきます。

・8月 わらび餅

見た目も涼しげで口当たりもひんやりするため、暑気払いとしてもいただけます。とってもおいしいけれど、わらび餅をつくるときの腕の筋肉痛だけが悩みの種です。

・9月 月見だんご

十五夜(中秋の名月)をながめながらいただく月見だんご。旧暦8月15日ということで、今年の十五夜は9月27日です。だんごが白い丸の形でない地域もあるようです。

20150602_wagashi_3.jpgphoto via shutterstock

・10月 豆大福

小豆の粒の食感が好きな人にはたまらない和菓子です。春にいただくときはなかにイチゴが入っていることも。まるで「もののけ姫」のこだまのようにも見えますね。

・11月 芋ようかん

秋になるとお芋のお菓子が店頭をにぎわせます。芋ようかんは簡単に作れる和菓子ですが、近ごろではさらに芋ようかんをバターで焼いて洋風にいただく人も増えているとか。

・12月 きんつば

刀の鍔(つば)をかたどった「金鍔焼き」というだけに、丸いものもありますが、いまでは角型が主流のようです。アツアツのきんつばをいただくと冷えたカラダも温かくなります。

和菓子で季節の移り変わりを感じよう

このほかにも季節の和菓子には、お花や果物といったモチーフが芸術作品にまで昇華した「上生菓子」があります。また夏には水に泳ぐ金魚や、天の川をあらわした美しすぎる水ようかんまで、日本の美を追求したものもあります。

ちなみに明治神宮では喜祥の日の直近の休日には菓道敬神会の有志による煉切菓子の配布も行われています。そして喜祥の日も過ぎ、1年の折り返し地点ともいえる6月30日の「夏越しの祓」では「水無月」という、ういろうに小豆の乗った和菓子をいただきます

ケーキもおいしいけど、日本の伝統的製造法で作られた和菓子もやっぱりステキ。おいしいだけじゃなく、芸術的な側面もたのしめる、日本の季節を感じるお菓子です。

[『大切にしたい、にっぽんの暮らし。』]

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