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薬膳の世界では、夏は腸をケアする季節。日本人は胃腸など消化器官が弱い人が多いそうです。とくに夏は胃の調子が悪くなりがち。胃の調子がよくないと全身の状態も悪くなるといいわれます。胃腸をケアするための食材について、薬膳の観点から薬膳料理家・阪口珠未さんにうかがいました。

胃腸を整えて、脱むくみ!

胃もたれ、むくみ、冷え、疲れやすさなど、夏に出やすい症状は、腸の力が落ちることで出てきます。たとえば、冬の冷えなどは、夏にためてしまったむくみが原因で悪化してしまうのだそう。

「中国ではビールも常温」というのはよく聞きますが、腸にはいいこと。日本人は中国人より冷え性が多いのですが、原因は、夏に冷たいものをたくさん飲んでしまうため。逆に言うと、夏の間に体を温めてむくみを解消すれば、冬のツライ冷えが緩和されます。また、胃腸の働きが落ちてくると、皮脂量、水分量などをコントロールする力も低下します。これは、肌のくすみやたるみの原因にもなります。

そして、胃腸の不調によるお肌のトラブルにも効果的なのが、薬膳です。薬膳と聞くと難しいイメージや、食材が手に入りにくいイメージがありますが、実際は身近な食材で毎日続けられ、しかも効果大! 薬膳で腸を整え、消化吸収を良くすると、全身の状態も自然と良くなってくるのです。

中でも穀類は体にエネルギーを与えてくれる食材です。胃腸の働きを整えて、体の余分な水分を排出してくれるので、むくみ対策にもおすすめ。そこで今回は、穀類の中でも穀物繊維が玄米の5倍と言われるオーツ麦である「えん麦ふすまを使った、夏のむくみを解消する薬膳スムージーレシピの作り方を教えてもらいました。

20180827_yakuzen_smoothie02.jpg冬瓜とキウイのスムージーレシピ

材料(朝食1回分)

冬瓜……皮ごと50g(種は取り除く)

キウイ……100g(約1個)

えん麦ふすま(オーツ麦)……約10g

はちみつ……大さじ1

生姜……5g

水……100cc

作り方 

1.冬瓜は皮ごとひと口大に切る。キウイも皮をむいてカットする。生姜は皮ごとスライス。

2.1と水をミキサーに入れ、攪拌する。

3.2にはちみつ、麦を加えてさらに攪拌する。

薬膳では、冬瓜は水分代謝を改善し、むくみを解消する食材とされ、漢方薬としても使われています。消化を高めるキウイと合わせ、さらに繊維の豊富な麦を加えることで、ダイエットにも向いています。また、はちみつを甘酒などで代用するのも美味しくておすすめです。

夏のカラダを癒す薬膳的食材の組み合わせ 

実はこのスムージーのように、食材の組み合わせでカラダをメンテナンスする知恵が、薬膳にはたくさんあります。例えば、冷えが気になる人には、桃とトマトの組み合わせが効果的。桃は血の巡りを改善して、体を温める食材です。トマトは体を冷やす食材ともいわれますが、薬膳では女性は赤い食材を積極的に摂るとホルモンバランスが整うため、よいとされています。

また、マンゴーとかぼちゃの組み合わせも、夏に弱りやすい胃腸の働きを高めてくれるとか。マンゴーやかぼちゃは紫外線からお肌を守る働きもあるので、美肌効果も期待できます。かぼちゃはひと口大にカットしたものを生で使うことで、さっぱりとした夏にぴったりの口当たりになります。

そしてできれば、それぞれに穀物を加えるとさらにバランスと腹持ちがアップ。豊富な繊維を摂取でき、腸にやさしいスムージーになります。

晩暑の疲れがたまったカラダに、やさしく活力を与えてくれるでしょう。

20140826_mugi_juce_004.jpg今回の「冬瓜とキウイのスムージー」には、えん麦ふすまを使用しました。

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