
1991年に世を去った多才なアーティスト、セルジュ・ゲンスブール。
ジェーン・バーキンの元夫、シャルロット・ゲンスブールの父、ブリジット・バルドーの恋人としても有名です。彼が作詞作曲したフランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」、ジェーン・バーキンとのデュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」などは、聞いたことのある人も多いはず。そんな作詞作曲家として様々な曲をヒットに導き、多くの女性と浮き名を流したセルジュ・ゲンスブールが自らを語るドキュメンタリー映画『
ノーコメント by ゲンスブール』が7月27日から特別公開、8月3日から全国にて順次公開されます。この作品、ゲンスブールに見せられたドキュメンタリー監督のピエール=アンリ・サルファティが、彼の膨大な資料の中から自らについて語っている部分を探し出し、あたかも、今彼がフィルムを見ながら語っているかのように、一続きの映画に仕上げたもの。1991年に心臓発作で亡くなった彼が、現代によみがえり、自らの過去について語っているかのような錯覚すら感じさせます。
もちろん、
ブリジット・バルドー、ジェーン・バーキン、バンブー、アンナ・カリーナ、ジュリエット・グレコなど、彼を取り巻く多くの美女に関するコメントなども登場! ジェーン・バーキンとデュエットしたあの名曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」が、実は別の女性のために作られたものだったと言う事実を、ゲンスブールの口から聞けるというのも、なかなか得難い体験です。それにしても、彼は自分のことを淡々と語っているだけなのですが、その声と生き様の色っぽいことと言ったら!「こんな男性が周りにいたら、振り回されると知りつつも好きにならずにはいられないだろうな......」と、思わずにはいられませんでした。この作品は、
挑発的ではあるけれど、傷つきやすく気まぐれで、愛されたくないけれど愛されたいと言う彼の魅力が存分に詰まったドキュメンタリーなのです。さらに、このドキュメンタリーの中では、彼が手がけた楽曲が110曲も使われています。音楽家としての彼の才能やプロデューサーとしての能力も実感できます。セルジュ・ゲンスブールの才能、生き様、魅力を再発見させてくれるドキュメンタリー『ノーコメント by ゲンスブール』。彼のことを好きな人はもちろん、彼のことをあまり知らない人にもおすすめの、一人の偉大なタレントの精神の在り方を教えてくれる一作です。
『ノーコメント by ゲンスブール』(99分/フランス/2011年)原題:Gainsbourg by Gainsbourg: An Intimate Self-Portrait公開:2013年7月27日よりBunkamuraル・シネマにて特別ロードショー 2013年8月3日より渋谷アップリンクにてロードショー配給:アップリンク劇場:Bunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開監督:ピエール=アンリ・サルファティ出演:セルジュ・ゲンスブール/ジェーン・バーキン公式サイト:ノーコメント by ゲンスブール
© Zeta Productions/ARTE France Cinéma/Ina/2011 HellPhotograph by Ishida Masataka(松村知恵美)