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これから水分補給をちゃんと考えなくてはならない、猛暑日がやってきます。そんなシーズンの必需品といえば、エコで経済的な「マイ水筒」。

汗で流れてしまうミネラル補給のためにも、スポーツドリンクを入れるという方も多いはず。でも、その行動、ちょっと注意が必要なんです。

じつは、金属製の水筒ややかんで、スポーツドリンクや乳酸菌飲料のような酸性度の高い飲み物を長時間保管すると、容器内部の傷や付着物が原因で銅が溶けだし、吐き気や下痢などの中毒症状を起こす可能があるそう。

東京都健康安全研究センター(PDF)によると、酸性飲料で銅が溶けだしたことが原因とみられる中毒が過去2件あったとか。そこで、金属製の水筒ややかんで、スポーツドリンクや乳酸菌飲料のような酸性度の高い飲み物を長時間保管しないようにと、東京都が呼びかけているのです。

中毒となった事例の1つは、2008年2月都内、児童6人が粉末を水で溶かすタイプのスポーツドリンクを水筒にいれて飲んだところ、頭痛や吐き気を訴えたもの。保健所の調べでは飲み物から高濃度の銅が検出されました。

原因は、水筒の内部の破損。通常では飲み物が直接触れない保温構造部分から銅が溶けだしたとみられています。

ということは、金属タワシを使って洗う場合も要注意です。気づかないうちに水筒内部が傷ついている可能性があります。

もう1つの事例は、2010年3月、やかんで作った乳酸菌飲料を飲んだ岡山県内の保育園児15人が吐くなどしたものです。高濃度の銅が検出されたやかんは、じつは、アルミニウム製でした。しかし長期間の使用で水道水などに含まれている銅が内側に付着し、飲み物を入れたことで溶けだしたと推定されています。

この事例によれば、アルミニウムやステンレス製品のように容器自体に銅がなくても安心できないということになります。

特に注意が必要なのは……

・乳酸菌飲料
・スポーツドリンク(粉末を水で溶かすタイプも)
・果汁飲料

飲み物に含まれる酸性の物質には、炭酸、乳酸、ビタミンC、クエン酸(柑橘類を始めとする果物に多く含まれます)などがあり、こうした物質を多く含む飲み物は、酸性度が高くなるのだとか。

これらの飲料を飲んだ際に、苦味や金属の味がし、ちょっと口にふくんで味が変わっていたら飲むのを止めたほうがよいそう。この情報を知らなければ、ちょっと苦味を感じても「あれ?」と思いながら飲み続けていたかもしれません。そう思うと、東京都の呼びかけには感謝です!

[食品衛生の窓]

photo by Thinkstock/Getty Images ※掲載写真はイメージです。

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