20130318otera_1.jpg丁寧につくり、丁寧にいただく……。そんなイメージのある精進料理。

清潔で、すっきりとしたお寺のなかで作られた料理を前にすると、背筋がシャンとする気がします。精進料理を食べているお坊さんは、なんと奈良の時代から「もっとも長寿な職業」なんだそうです。

MBAで学んだ料理僧

20130318aoekakuhou_1.jpgそんな精進料理を通して、仏教の教えを広める活動をしている青江覚峰(あおえかくほう)さん。カリフォルニア州立大学にてMBAを取得したのち、「料理僧」と名乗って食育に取り組んでいるという、ちょっと変わった経歴をお持ちです。海外では知られている、真っ暗な中で食事をとる「ブラインドレストラン」を日本の食文化に合わせてアレンジした「暗闇ごはん」という月に一度のイベントを主催していたりと毎日当たり前のようにいただく食事の大切さを様々な方法で伝えてくれています。

お家で作れる精進料理

青江さんの著作である「お寺ごはん」には、お家で作れる精進料理のレシピがいっぱい。肉、魚を使わず、野菜をたっぷり使っているのでヘルシーで低カロリー。かといって質素なレシピではなく、カレーやカポナータ、なんとスイーツまで載っているので、ついついいろんなレシピを試してみたくなるほど、バラエティーに富んでいます。

手間がかかるのかな? と思ってましたが、作ってみると意外と簡単でシンプル。ここで、実際に作ってみたお気に入りのお寺ごはんレシピをご紹介します。

◎車麩のみそカツ

<材料>
車麩:2枚
薄力粉:適量
水溶き片栗粉:適量
パン粉:適量
揚げ油:適量
A だし汁:1と1/2カップ・しょうゆ:小さじ2
B 白いりごま:大さじ1・砂糖:大さじ2・八丁みそ:大さじ3・みりん:大さじ3・水:大さじ3

<作り方>
(1)鍋にAを入れて、火にかけ、水で戻した車麩を5分煮て、バットに移し粗熱をとる
(2)(1)を軽くしぼり、薄力粉、水溶き片栗粉、パン粉の順につける
(3)170℃の揚げ油揚げ、器に盛り、混ぜ合わせてひと煮たちさせたBをかけて、出来上がり!

車麩が口の中に入れると、お肉のように弾力があってびっくり! 味が染みてとっても美味しいです。お麩なのに満足感のある一品なので、ヘルシーな食事を心がけている人におすすめです。

レシピはもちろんなのですが、さらに気に入っているのは、各章に書かれた青江さんの言葉たち。調理のアドバイスだけじゃなく、食材への向き合い方、料理を通して心をすこやかに保つ方法など、読むだけで食への心構えがガラリと変わります。体の中のみならず、心まで整うお寺ごはん。料理の過程ひとつひとつに向き合う気持ちや時間を、大切にしたくなりました。

お寺ごはん

著者:浄土真宗東本願寺派緑泉寺住職 青江覚峰
価格:1,155円(税込)
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

photo by Thinkstock/Getty Images

(宮田茉貴子)

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