「好きな人とたくさん」石田衣良さんが憂う日本人のセックス事情
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日本では、セックスが時代遅れの冴えない悪徳として扱われ、不況と低成長の経済で、多くの人が、性から遠ざかってしまった。草食男子の増殖、未婚率の上昇などの事情も、セックスそのものを厭う時代に。そして、世界トップの残業時間を誇る日本が、同時に性交回数は、年間最少の貧しさを記録している。石田さんは、こういった状況を淋しく思い、「SEX」を書いたのだそう。彼いわく、「セックスは、肉体の一部の単純な往復活動ではなく、頭と心と身体のすべてが参加する全人的な行為で、生きものとしての人間人はなくてはならいもの」と話します。たしかに、セックスをするということは、相手に自分のすべてをさらけ出し、自分自身のすべてが相手に伝わる行為のように思えます。だからこそ、大切な人とすることに意味があるのだな、とも。少子高齢化が進むこの国で、セックスレスは大きな問題です。でもきっと、生きることのよろこびや、心の豊かさ、を感じるようになれば、同時に性の素晴らしさも感じるようになって、結婚したい! 子どもを産みたい! と思う人が増えるのかも......。性交回数が低い、というのは、日本人の心が乾いていることのあらわれ、なのかもしれません。最後に、石田さんが考えた素敵なセックスのスローガンをご紹介して終わりにします。「好きな人とたくさん」このスローガン、お気に入りです。※「sex」あとがきより抜粋
[sexphoto by Thinkstock/Getty Images(マイロハス編集部/篠田)]著者:石田衣良価格:580円(税込)出版社:講談社