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結局のところ放射能って何が怖いの?人体への影響をわかりやすく解説

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結局のところ放射能って何が怖いの?人体への影響をわかりやすく解説

福島第一原発や、放射能のニュースが3月11日から毎日流れています。たくさんの情報が出されますが、安全なのか? 危ないのか? まったく反対のことを言っていたりするので、困ってしまいますね。 私たちはその中から、自分自身で判断し情報を選択していかねばなりません。今回は、放射能はどうして生命にとって危険なのかという基本的なことから考えてみたいと思います。

・放射能とは

放射能、放射性物質、放射線、という言葉が飛び交っていますが、どう違うのでしょうか? 「放射能」とは放射線を出す能力のことでキュリー夫人が作った言葉ですが、今は放射能を持つ物質である「放射性物質」の意味で使われています。「放射性物質(放射能)」と書くとわかりやすいのかもしれませんね。 その放射能から出るのが「放射線」です。 110520newsgen01.jpg

出典:よくわかる原子力

・被ばくとは

放射線を浴びることを「被ばく」といいます。放射線は、人や動植物に悪い影響を与えます。影響の程度は浴びた放射線の種類や量によって変わります。 たくさん浴びると「急性障害」といって、数日後から10日くらいで命を落とす場合があります。また、一命はとりとめた場合でも、重度のやけど、脱毛、発疹、皮下出血、リンパ球や白血球の減少、下痢などの症状が現れます。 急性障害はどんな人が浴びても必ず起こることなので、「確定的影響」と言われます。確定的影響が起きる一番少ない線量を、「急性障害のしきい値」と言いますが、大体100〜250ミリシーベルトと言われています。 逆に、浴びる量が少ないのですぐには目に見える症状が出ませんが、長い時間を経過してから、ガンなどの影響があらわれるものを「晩発性障害」といいます。少ない線量(低線量)の中でも、被ばくした線量が多いほどガンになる確率が高くなるので、「確率的影響」と言われています。

・ただちに影響がないレベル!?

「晩発性障害」が心配される低線量の被ばくでは、全員がガンになるわけではありませんが、ガンになるかもしれないという不安をずっと抱えなければなりません。政府が伝える「ただちに影響がないレベル」とは、急性障害のような目に見える症状が今すぐ出るわけではないけれども、「数年後、数十年後には影響が出る可能性があるレベル」という意味を密かに含んでいるのではないかと考えられます。 また、急性障害から回復して健康を取り戻す方もなかにはいますが、普通の病気が治るのとは違い、一見正常に見えるけれども、いつも体がだるく、仕事を続けるのが困難になり、その症状を一生抱えていくことになります。

・放射線を浴びると、人体に何が起こるのでしょうか?

放射線を浴びると、細胞のDNAに傷をつけます。たくさん浴びる(高線量)ということは、たくさんの放射線がDNAをズタズタにしてしまうということで、細胞は死んでしまいます。 しかし、浴びた線量が低くて(低線量)ズタズタにまではならなくても、ガンを引き起こす可能性があります。 110520newsgen02.jpg

1ミリシーベルト浴びると1本、5ミリシーベルト浴びると 5本、各細胞を放射線が通過しDNAを傷つける

DNAには、壊れたところを修復する力がありますし、間違って修復されてもそれを見つけて正しく直す酵素があり、常に正しいDNAがつくられていくようになっています。 ですが、低線量でもDNAを傷つけることがあり、それが間違えて修復されると突然変異を起こします。また、仮に修復されてもDNAは不安定で変異を起こしやすくなります。突然変異が一旦細胞の中で起こるともう元には戻らないため、たとえ弱い放射能でもガンにつながる可能性があるのです。 政府は暫定規制値などをもうけ、「これ以下なら安全です」という「しきい値」があるという考えのようですが(※1)、国際機関である米科学アカデミーによると、しきい値はないと結論づけています(※2)(※1)厚生労働省 (※2)原子力資料情報室(低線量被曝でも発ガンリスク:米科学アカデミー)

110520newsgen03.jpg

1ミリシーベルト浴びると1万人に1人がガンになる(国際放射線防護委員会)

・外部被ばくと内部被ばく

体の外から放射線を浴びることを「外部被ばく」といいます。それに対して、空気や食べ物や飲み物などから放射性物質(放射能)が体内に入ってしまうと、体の中で放射線を浴びることになり、これを「内部被ばく」といいます。 原発事故により放出された人工放射能による外部被ばくは、放射線の影響がないような遠い場所にいけば避けることができますが、体内に取り込んでしまった場合には避けることができず、体内での放射性物質の半減期を過ぎるまで、至近距離で放射線を浴び続けることになりますので、内部被ばくは少量でも怖いですね。

放射能、被ばくというのは、健康や命をおびやかすものです。自然界にも放射能はあり、私たちは日々自然放射線を浴びて生活していますが、それすらガンの原因になります。でもこれは地球で暮らす上では仕方ないことであり、避けられませんし、それでもなんとか人間は100年前後生きられる環境です。 医療で浴びるX線やCT検査などによる放射線もできるだけ浴びないほうがいいですが、これには病気が見つかるというメリットの面もありますし、受ける、受けないという選択を自分ですることができます。 しかし、原発で生み出された人工放射能は、望んでいなくても私たちを襲ってきます。 福島県では校庭の土を削らなければいけないほど放射能に汚染されている学校があります。そんな状況を生み出してしまうのが原発です。 原発について考えていくときに、政府や電力会社は電気が足りる、足りないという部分だけを伝えてきました。しかし、原発の問題は電力だけではとどまりません。福島第一、第二の10基以外にも、原発は全国にあと44基あります。私たちは、あまり伝えられないデメリットの部分についても真剣に考えていかなければいかねばならないと思います。 原発から出た人工放射能を完全に避けるには、その影響を受けないような場所まで行くしか方法がありません。 しかし、仕事を辞めて遠くに行くということは容易ではなく、今いる場所で暮らしていかなければならない人がたくさんいます。完全には無理でも、少しでも被ばくは避けたほうがいい!そのためにできる対策方法を次回ご紹介していきたいと思います。

<参考サイト・文献>

よくわかる原子力(原子力教育を考える会) ・ほんとに大丈夫?身近な放射線(原子力資料情報室) ・原発なんかいらないよ(反原発ヤマセミの会編) ・受ける?受けない?エックス線 CT検査 (高木学校医療被ばく問題研究グループ) ・食卓にあがった放射能(高木仁三郎 渡辺美紀子:七つ森書館) ・いのちと放射能(柳澤桂子:ちくま文庫)

image via shutterstock

神無月好子(ライター/オーガニックライフスタイリスト)
環境や、原発問題をわかりやすく伝えるべく、2007、2008年とGARCIA MARQUEZとstop-rokkashoのチャリティーコラボバックや、2010年には森林保全のmore trees×ANOTHER EDITION×HELLO KITTYのチャリティーコラボバックを展開。今までにない切り口で、たくさんの人に環境をはじめ、原発や、社会問題について執筆中。ブログ

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