エレベーターが開くと、ほのかにスパイスの香り……。銀座の一等地にあるのに上質なオリエンタル気分に浸れてしまうのが、自然派インド料理のナタラジ。素材に肉や魚は一切使わない。 菜食文化が根付いているインドでは、例えばジャイナ教の僧侶は虫も殺さない。アーユルヴェーダを始め、インドには命の大切さを訴えかけるような料理が豊富にあるのだ。ナタラジはそんな文化を日本に伝えるために10年前にオープンした。しかし、インドでは野菜がとても生き生きとしているのに対し、日本の野菜は生気がなく、これでは本物とは言えない。 「そこで思い切って有機農法で育てた野菜を使ってみました」 マネージャーの松川さんは、普通の野菜とはかけ離れたうまみの深さに驚いたという。 野菜の味を引き立てるのはスパイス。 「たくさんのお客さまが、ここのスパイスは体から力がわき上がってくるようだとおっしゃってくれます」 確かに、とがった辛さがない。なのに汗が出る。うまみが深い。熱さが体の奥底から沸き上がってくるのは、自然の味わいを追求したたまものなのだ。さらに健康に配慮して、マクロビオティックのメニューもある。 野菜がもっと元気になるこれからの季節、心も体ももっと軽やかになれる料理が楽しみだ。