乙女に「かわいい~」を知らしめたカリスマ逝く
子供たちがみるくいろの羽根をもったばらいろの天使だとすると、セヴンティーンのころからの少女は、そう、妖精(フエアリイ)です。それも夢みたいな美しさのピンク・フエアリイ
(内藤ルネ/『こんにちは! マドモアゼル』河出書房新社)
なんて乙女心を刺激するキュートなフレーズなんだ。ゴスロリ少女よ、呪文のように唱えてみてほしい。みるくいろの羽根だ。ピンク・フエアリイだ。
この文章を書いたのは10月24日74歳で亡くなったイラストレーター内藤ルネ。書かれたのは1959年。今から48年前である。
内藤ルネの名前は知らなくても、あのイラストは絶対知っているはず。顔が小さく、目がでっかく、ウェストがキューッと細い女の子は、今の時代でも通用するポップでオシャレな感覚に満ちており、水森亜土と並ぶ「レトログッズキャラクター」のドル箱。そうそう、目のトロンとたれた「ルネパンダ」も彼の作品だ。

内藤ルネ/『こんにちは! マドモアゼル』河出書房新社
グッズを見ていると出てくる言葉は「かわいい~」である。そう、内藤ルネの最大の功績は、日本人乙女たちに「きれい」だけじゃなく「かわいい」って価値観があることを教えてくれた点にある。彼の出現により、時代は、中原淳一の描くたおやかな美少女から、スピード感と個性で勝負するチャーミングな女の子へ。それは生まれ持った造作だけじゃなくても、気合でなんとか勝負できそう。ピンク・フエアリイとやらになれるかもしれない、という甘い期待を乙女たちにもたらした。もし内藤ルネが「かわいい」の分野を開拓しておいてくれなかったら、女の子たちはどんだけ息苦しい世界を強いられたことだろう。今なお売れ続けているルネグッズとともに、彼が少女文化にもたらした偉業にも注目したい。
(TEXT:平瀬菜穂子)
平瀬菜穂子が担当する「こちら文化情報検究所」
http://ocntoday.blogzine.jp/column/







































