女性を苦しめる9号の呪縛
女性のみなさん、あなたの服のサイズはズバリおいくつでしょうか?
と聞くと、たいてい「9号」という答えが返ってくる。こう言っちゃあなんだが、ええっ、あなたも? とちょっと当確スレスレラインの人も、9号と胸を張る。思わず、その胸板めがけてダウトッ!とつぶやいてみたりする。
9号と11号の間には深い深い溝がある。ここだけパッキリ分かれている。それは多分9号以下がOKゾーンであるという共通認識をみんなが持っているからにちがいない。そうは言っても出産を経験したり、30代に突入したりすれば、そうそう9号というわけにもいかないだろうに。みなさん頑なに「9号の人」から降りようとしないのだ。
わ、私はそろそろ降りたいぞ。ということで最近、ギリギリまで握っていた鉄棒を離す決意をかためた。一度楽なほうに流れれば、そのまま流されていってしまうことは必至だが、体の肉も流れているのだからどうしようもない。うれし恥ずかし11号デビューである。
ところが百貨店・駅ビルのちょっとヤングな店には、そろいもそろって11号がない。「サイズは何号がありますか?」とたずねると「7号と9号です」とニッコリ微笑み返される。あちこちの店を渡り歩き、11号を扱う店のあまりの少なさに驚いた。若者フロアでは、よく見積もって3割程度といったところか。「うちのが着たきゃ、痩せてから来やがれ」というのは、あんまりな仕打ちじゃないか。これまで贔屓にしていたのに。
未練がましく9号を試着するも「ちょ〜っと、お胸のあたりがきついようですね」「お客様、グラマラスなので」とやんわり服を取り上げられる。お互い感じていることはいっしょなのに、それを口に出さないという日本文化の慎ましさを濃縮した言葉って、けっこうグサッとくるものなのね。
どうにかして11号の服をかき集め、お気楽11号ライフをスタートした私はあることを実感している。痩せて見えるのだ。当然のことだがパツパツがユルッとなると、細く見える。別にタグが透けて見えるわけじゃないから、9号だろうが11号だろうが関係ない。みんなで降りれば怖くない。9号神話が崩れ、11号人口が増えれば、私たちのオシャレももうちょっとお気楽なものになるのではないだろうか。
(TEXT:平瀬菜穂子)
平瀬菜穂子が担当する「こちら文化情報検究所」
http://ocntoday.blogzine.jp/column/







































