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2007年10月11日

至れり尽くせりのご配慮! 現代お受験グッズ事情



そもそも「お受験」の「お」ってのが、微妙である。受験させるママが「うち、ほらお受験だから」と言えば、そこにはやや照れ混じりの自虐的ニュアンスが漂う。「たかだか、子どもの受験に血道をあげちゃって恥ずかしいわ。いや、別に公立だっていいの。ほら私、教育ママとかそういうんじゃないし。でもなんかね、お義母さんの手前もあるし、まあ記念受験?」とでも言うような、言葉にし尽くせない心模様が凝縮されている気がする。

ま、それでもやるとなったら、やるのが母心。幼稚園や小学校からポンとエスカレーターに乗せれば、その後10年以上の安泰が約束される。子の幸せは母の幸せだ。

そこで今回注目したのが、お受験グッズ。都内の百貨店をウォッチした。

まさにリクルートスーツ売り場のような、紺一色の光景。最近の子ども服は、ギャル系・兄ちゃん系が多く、チャラい空気が充満しているのに、ここだけは静かな闘志がメラメラ燃えている。「学校訪問のお洋服」「運動テストのときのお洋服」「面接のお洋服」など、シチュエーション別に、さまざまなタイプの服が並んでいる。

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専用パンフレットもあるから安心。


さらになにが驚いたって小物の充実っぷりである。上履き入れ、ハンケチ、淑女のたしなみの風呂敷、坊ちゃん・嬢ちゃんのたしなみティッシュケースまである。

思えば子どものとき、ティッシュケースを持っている子を、異邦人を見るような目で見ていた私としては、誰も彼もがティッシュケースつきティッシュを持ち歩いている光景を想像しただけで、かゆくなってしまう。言っておくけど、テレクラティッシュの素性を隠すためじゃないからね。子どもサイズのティッシュケースは一回り小さく、そもそもテレクラティッシュは入らない。お呼びでないのである。

ハンケチ、ティッシュケースにはハンドメイド名前刺繍サービスを実施している百貨店もあった。ためしに、ヤフオクをのぞいたら、こちらにも手づくりお受験グッズがひしめいている。もちろんすべて紺、小さなサテンリボンのお飾り付き、お母さまのぬくもりあふれる逸品に仕上がっていた。

こういう「かゆいところに手が届く配慮」って、「上品」っていうより「お上品」、「気遣い」っていうか「お気遣い」って感じがする。ニュアンスとしては、「ビール」を「おビール」とでも言うような、ある種の過剰さと、滑稽さがある。

もちろんこの滑稽さには、ほとんどすべてのお受験ママが気づいているに違いない。それでも、ひととき目をつぶり、あとから「あれってホント、バカバカしかったわよね」と言いたいがために受験合格までひた走るのである。いや、感服いたしました。

(TEXT:平瀬菜穂子)


平瀬菜穂子が担当する「こちら文化情報検究所」
http://ocntoday.blogzine.jp/column/

11 10, 2007 | カルチャー |

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