明るいブルーのモダンな部屋とクリスタルアートで高まる異国情緒
「日本から別々の便で上海へ。ルネッサンス上海豫園ホテルで待ち合わせをしよう」。
こんな内容メールが俊樹から届き、驚いている暇もなく、美紀のもとに航空チケットが送られてきた。
それは美紀が俊樹と一緒に暮らしていたマンションから出て、1ヵ月後のことだった。
同棲してから7年。20歳のときに勢いで8歳上の俊樹と暮らし始めたが、4年目ぐらいから俊樹は美紀を女性として見てくれなくなった。
戸惑いを感じながらも、彼と一緒が心地よいから黙っていた美紀だったが、俊樹のワイシャツに口紅がついているのを発見。
とうとう「前向きに別居しましょうよ」と提案した。
テレビ関係の仕事で忙しい俊樹が答えを出す前に、美紀は部屋を引き払って家具付のマンションへ移った。
だから「ルネッサンス上海豫園ホテルで会おう」にはびっくりしたが、やり直しをしたいという彼の思いも伝わってきて、美紀は久しぶりに心が躍るのだった。
ルネッサンス上海豫園ホテルは中国式庭園で上海の有名な観光地・豫園に隣接して、開発の進む上海にぴったりな近未来的でモダンな外観のホテルだった。
部屋に入ると、明るいブルーを色調にしたモダンなインテリアで、美紀は思わず鮮やかなチャイナドレスを着てみたくなった。
俊樹はすでに到着していて、『スパに行っている』というメモがテーブルの上に。
メールではなく、メモというのが新鮮だった。
スパトリートメントへと向かう途中、館内のあちらこちらにクリスタルアートが展示されていた。
チェコの著名なアーティストの作品で、スペイン王室でも重宝されているという。
鮮やかな色使いは、まるで万華鏡のようで、館内を見てまわるだけでギャラリーをめぐっている気分になる。
このルネッサンス上海豫園ホテルがまるで一つの大きな万華鏡で、美紀は俊樹とその中で夢幻のホテルライフを過ごしていくような気がした。
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