都会の喧騒から逃れて自然を満喫するホテルへ
白いパラソルとロングチェア、そしてYUIの家が見えてきた。
最寄り駅から歩いてきた弓枝の帽子の縁を、心地よく海風が揺らす。
「YUIの家で賢治を待っている」。
いつも賢治に待たされてばかりだけど、今日だけは待つのが嬉しい。
それは弓枝が賢治と過ごすためのホテルを初めて選んだから。
丸の内OLになってから5年。
3年目に体調を崩してから弓枝はオーガニックに目覚めた。
コスメやフードなど、ショップめぐりだけでなく通販やお取り寄せも積極的に。
そんなときに見つけたのがYUIの家。
オーガニックな空間と食事、環境への配慮など弓枝が探していた理想のホテルだった。
そんなYUIの家に思いを馳せていたときに、恋人の賢治が週末に長門市へ出張と聞き、弓枝は初めて賢治を誘った。
「YUIの家でゆっくり楽しみましょう」。
賢治は弓枝よりも3歳年上の30歳で、商社マン。
最近は仕事でのすれ違いが多くなっていたが、弓枝の元カレが高校の同級生と結婚したと聞いて、弓枝の結婚願望は一気に高まった。
「プロポーズをされるなら、YUIの家で」
わくわくした気分でフロントに着くと、
すると賢治がすでに到着していた。
部屋では、賢治がいびきをかきながらグーグー寝ていた。
「ムードがないなあ」とがっかりする弓枝。
でも賢治はきっと自然素材のベッドで、しかも海が近いから、波の音が子守唄のように聞こえるのね。
窓からの海と波の音で、弓枝には優しい気持ちが広がっていく。
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天然温泉の絶景、
体に優しいオーガニック懐石料理で二人の心も柔らかに

