温泉から箱根の豊かな自然と雄大な眺めは、最高のリラクゼーション
イギリス留学で知り合い、その後1年間文通だけの交際をしていたリチャードが日本へやってくるという知らせに、外資系OLの恵美子の心は躍った。
リチャードはとても優しくて、日本人男性が苦手とする女性のエスコートもとても自然。
恵美子よりも4つ年上の33歳の彼は旅行代理店勤務で女性からモテる。
恵美子は二人だけのホテルにホテル大箱根を選んだ。
というのは大の日本贔屓の彼は、和風の老舗温泉ホテルのことは恵美子よりも熟知していたからだ。
そこで東京からわずか90分と近く、自然を一望できるリゾートホテル・大箱根を予約した恵美子だが、直前になって彼はやっぱり和風老舗温泉がいいと不平を言い出した。
「温泉宿はいつも行っているでしょ。目新しいホテルへ行きましょう」
リチャードをなだめてやっとホテルへ到着。夜遅かったのに、ポーターがとても親切で、部屋まで荷物を運んでくれた。
スタンダードツインの部屋はゆったりとして、ベッドも家具も全てワイドで、まるで外人サイズ。
「恵美子はひょっとして僕のサイズに合わせて部屋を選んでくれたの?」
やっとリチャードから笑顔がこぼれ、恵美子はほっとした。
「温泉は24時間だって!嬉しいな。早くお湯に浸かりたい」。
♪いい湯だな、という鼻歌を歌いながら、リチャードは温泉へ。恵美子も続く。
温泉は姥子温泉で、疲労回復にも効果があるという。
広々とした開放感あふれる大きな窓から、箱根の豊かな自然を髣髴させる雄大な眺めは、露天風呂と変わらない美しさ。
星空も眺められて、ロマンチック。
大きな湯船にゆったりとくつろいで箱根の大自然を眺めていると、体も心も少しずつ癒される。
帰国してから文通だけのリチャードとの関係を、恵美子は悩んでいた。
遠距離恋愛を続けながら、リチャードのいるイギリスへ移住する覚悟をしなければ、この恋は終わりになるかもしれない、と恵美子は恋の行方を心配していたのだ。
でも都会から離れて、大自然の懐へふいに入ってしまったという感覚のホテル大箱根で、恵美子は大らかな気持になっていった。
「何とかなる。ケ・セラセラよ」。
恵美子の余裕がリチャードにも伝わったと見えて、その夜リチャードはずっとご機嫌だった。
>>次へ
仙石原の大自然を堪能。
無邪気な彼にいつのまにか笑みがこぼれて…


